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短編小説・旅情という名の詩集・予告編

短編小説・旅情という名の詩集・予告編

近日より連載開始

内議
人は何故、旅に憧れ、旅を求め、旅に出るのか。
それは流離なのか、目的地の有る旅なのか。
山珂を愛する人もいるだろう。
方言を愛する人もいるだろう。
心の故郷とは何なのかと重ね合わせて、人の心の奥底に迫れたらどんなに良いだろうと思うのである。
それを、作家冥利だねと言われるのなら、そうであってほしい。
自らの経験、人生に流離い、旅に流離い続けた、旅路の果てにあるものを、問い続けることでもあるのだろうか。
ノンフィクション作家とは違う、世に問いかける、問題提示型の作家でありたいという野心が、再び私に、ペンを取らせようとしているのだ。
和歌『幾山川越えさり行かば寂しさの果てなむ国ぞ今日も旅ゆく』(若山牧水・作)
その寂しさの果てなむ国はどこにあるのか。
行動派、実践派の作家、白浜砂夫があなたの町に取材に現れたなら、声援下されば、これ程の喜びはありません。

2016年11月18日より、開始予定です。

テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

短編小説・女は強く生き抜いて華になる12(了)

短編小説・女は強く生き抜いて華になる12(了)


        短編小説・女は強く生き抜いて華になる1
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる2
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる3
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる4
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる5
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる6
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる7
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる8
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる9
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる10
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる11


時代を越えて、名花はスターであり続ける。その二

名花、一葉は『文学界』同人達から、フロンテと呼ばれていた。
上田敏・星野夕影・戸川秋骨・島崎藤村・馬場胡蝶・平田秀木・等ら、当代の一流作家達は頻繁に、一葉の家を訪れていたのである。
『たけくらべ』は明治二十八〜九年、最初は『文学界』に掲載されたことを忘れないでもらいたい。
ここで、『博文館』も動いた。
明治二十八年九月、『にごりえ』を掲載した『文芸倶楽部』の発行元は博文館なのだ。
『ゆく雲』他紙に掲載された『たけくらべ』など再掲載。
博文館は、日清戦争時に『日清戦争実記』で実積を伸ばすのである。
『十三夜』『やみ夜』が載った、同年十二月の『文芸倶楽部』臨時増刊号は、口絵に、一葉ら女性作家の肖像写真を掲載。
その反響はすざまじく、新しい時代の到来を予想させるものであった。

さて、季節は、初夏から、盛夏、やがて立秋へと変わっていくのである。
花は、白きリラの花から、ひまわりの花へ、やがて高原に、白百合の花や、リンドウの花が咲きほこるであろう。
教夫先生の応接間は花の写真が、額縁に入れられて多々、飾られている。
それは教夫先生の文学観なのであろう。
名花とだぶらせて見る、明治女流作家達の活躍。
そこに文学界に、新しい時代が来たことを、まるで喜んでいるかのようである。
「教夫先生。安達太良山の見学から帰って来ました。」
「おう、お帰リお帰り、それで?」
「先生が見た安達太良山は、『男の山だ。男のに生きる忍心を語っている山だ』と言ってましたね」
綾子が、高村光太郎の詩集『智恵子抄』の詩歌の故郷を巡る旅から帰ってきたのは、明日は立秋という日のことであった。
教夫先生は、常々、詩歌には、一人一人が、違う見方になっていいと言っているのだ。
むしろ、その差異を、容認することが、日本の文学界の奥深さであり、千年の歴史に耐え抜いた実力でもあると思えて
くる。
さようなら、に生きた智恵子よ。
智恵子あっての猪苗代湖であり、智恵子あっての安達太良山なのだ。
「さようなら、智恵子さん。私もに生き、に殉ずる人生にしたいと思います」
と、それが綾子の感想なのであろう。


(了)



読、熱く御礼申し上げますと共に、各地方にも、名花、明治を代表する女流作家が存在したことを、存じてはおりましたが、掲載できなかったことを、お詫びもうしあげます。
白浜砂夫

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ジャンル : 小説・文学

tag : 明治 文化 女流作家 文学

短編小説・女は強く生き抜いて華になる11

短編小説・女は強く生き抜いて華になる11


        短編小説・女は強く生き抜いて華になる1
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる2
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる3
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる4
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる5
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる6
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる7
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる8
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる9
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる10


時代を越えて、名花はスターであり続ける。その一

さて、三人の話題になっている樋口一葉。
半井桃水からみた一葉はどうであったか。
『非常に年寄りめいて帯も、それに、適当に好み、頭の銀杏返しも、余り濃くない地毛ばかりで
、小さく根下りに結った上飾というものが更にないから、大層寂しくみました。』
ということである。
これを、長谷川時雨から見ると、
『蕗の匂いと、あの苦味。お世辞気のちっともない答えへだ。四月のはじめに出る青い蕗のあまり太くない、土から摘みたてのを、歯にあてると、いひようのない爽やか薫りと、ほろ苦い味を与へる。その二つの香味が、一葉女史の姿であり、心意気であり、魂であり、生活であったような気がする』
と、書きのこしている。
さて、もう一人の一葉フアンである。
「教夫先生、伏見宮孝麿様が見えました」
と、急ぎ応接室に招きいれるのである。
「これは、これは、大伯父様。如何なされましたか」
「うーん。教夫君が、一葉びいきになったと執事から聞いたもんでな」
「ええ。名花は時代を越えて、私たちに語りかけてくれるものがあると思います」
伏見宮は、一葉が、十四歳の時、中島歌子の萩の舎塾に入門して、和歌・和文を学び、やがて、小説は、半井桃水から教えを受けたこと等を語るのである
「十四歳、早熟の天才それとも、師の中島歌子が、優秀であったか」
「両方だ」
一葉は、生活困窮の中で小説家を志し、明治二十五年から、文芸雑誌『都の花』『文学界』『文章
倶楽部』などに寄稿するのである。
明治二十七年暮れから、『大つごもり』『にごりえ』『十三夜』『わかれ道』『たけくらべ』を書きあげる。
「その一葉、二十四歳で亡くなっている。小説が文壇で高い評価を受けるのと同時進行で、死が一葉を襲ったのだ」
「花の命は短くて」
「そうだ。その悲劇性が、またいいのだ。それに、極貧のなかで、よく書き上げたものだ。」
「一葉のこと、益々、好きになりそうです」
「やめておきな。一葉も恋人がいた。半井桃水だ。男前だったし、お前の相手ではない。」
と言って、架か、笑い出す、孝麿様。
これ程、愛された、女流小説家も珍らしい。

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短編小説・女は強く生き抜いて華になる10

短編小説・女は強く生き抜いて華になる10


        短編小説・女は強く生き抜いて華になる1
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる2
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる3
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる4
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる5
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる6
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる7
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        短編小説・女は強く生き抜いて華になる9


煌めく星座、明治の女流作家達。永遠を生きよ。その二

季節は、ひまわりの花咲く頃。
心は、情熱の色。
詩歌人は、花と色、或いは、色と花の識別に、魂を掛けるものなのでしょうか。
「綾子さん、歌集の編纂は進んでいるかね」
「え、先生、私みたいなものが、歌集の出版をしていいのですか?」
「ああ。歌人になったなら歌集を、詩人になったなら詩集を出す。それは、当然のことなんだ」
「先生、すみません。もっと心豊かな表現を、勉強せよということですね?」
「そこなんだよ。歌集や詩集を出すということは、自身をいかに表現するかという機会に
することなのだよ」
綾子は、先生の言葉に頷いた。
教夫は、樋口一葉に惹かれて行く自身の心情を語るのである。
「文豪・吉川英治は、優れた女流作家に、『明治では樋口一葉、昭和では長谷川時雨』と言っているんだ。注目すべき考えではあると思う」
「先生、それは、時代を切り開いたという点からでしょうか?」
「そうだろうねえ。文豪は、貧乏と愛、そして苦悩の間で、強く生きたという点を評価している」
「教夫先生。先生は最近、一葉びいきになっていると巷では噂になっていますが・・・。」
「そうなんだけど、晶子には晶子の、かの子にはかの子の、一葉には一葉の持ち味がある」
「そうですね。先生、詩歌人・作家の心の海を見るということですねえ」
「心の色はどんな色かなあと、作家・詩歌人を、色分して見るのも良いと思う」
まるで、鉄幹が、白百合の君・白藤の君と、言ったように、色別でいこうと言うことであろうか。
樋口一葉の墓は、京王線と井の頭線が交差する明大和泉校舎の隣にある。
墓前には、献花が絶えない。

テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

tag : 明治 文化 女流作家 文学 与謝野晶子 樋口一葉 長谷川時雨 与謝野鉄幹 昭和

短編小説・女は強く生き抜いて華になる9

短編小説・女は強く生き抜いて華になる9


        短編小説・女は強く生き抜いて華になる1
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる2
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる3
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる4
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる5
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる6
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる7
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる8


煌めく星座、明治の女流作家達。永遠を生きよ。その一

歌は流れる、流れる歌は、北白川教夫の家に、歌は流れる。
宝塚歌劇、すみれの花咲く頃。
すみれの花咲く頃、初めて君を知りぬ。
シャンソンの甘く切ない香りに乗って、宝塚レビューの至宝は流れるのである。
弟子の歌小路綾子は、宝塚歌劇が大好きなのである。
綾子が、作歌旅行に行くといえば、宝塚歌劇を見学に行くことである。
「先生、お帰りなさい。あの、先生、作歌旅行に行ってきたいのですけれど」
「ああ、いいよ。楽しんできなさい」
暗黙の了解とでも言うのであろうか。
先生は、それを喜んで許すのである。
「あら、伯父様、一緒に・・・」
「うん、教夫君とねえ。宝塚レビューを見学に言ってきたんだ。シャンソンは良いねえ」
と、賀陽宣栄。
祖母はと言えば、和歌の九条と詠われた、九条家の令嬢、敏子である。
教夫先生も、宝塚レビューが見たくてしかたがないのであるが、詩歌の先生ゆえに、人目をはばかると、すみれの花咲く頃の歌劇が大好きな賀陽宣栄。
背中を押すように、連れていったという次第である。

季節はと言えば、リラの花咲く頃。
別名、ライラックともいう。
南ヨーロッパの高原に自生し、五月頃、淡紫色の恋多き芳香を放つ花は、咲き誇るのである。
フランス人は、リラの花を愛し、シャンソンをこよなく愛するとも言われている。
シャンソン『白き、リラの花咲く頃』のフランス語詞は、宝塚の演出家、白井鉄造の翻訳により、『すみれの花咲く頃』と、なって世に出るのである。
「分かるかね?綾子さん。官能的な恋の歌だった原曲を、初恋とすみれの花にオーバーラップさせて、美しい十代のままに、清く正しく、美しく、歌い継がれる歌になっていったんだよ」
「ありがとう、伯父様。私、シャンソンが、ますます好きになりそうです。では、行ってきます」
と、言い残して、作歌旅行に出かけたいったのである。
劇作家にして小説家、長谷川時雨。
東京の人。
『女人芸術』雑誌、を創刊。
林文美子の『放浪記』を、最初に、女人芸術に連載。
円地文子、平林たい子、尾崎翠らを、世に送りだしたのである。
文学、演劇、芸術に残した功績は余りにも大きいと言業るをえない。

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プロフィール

白浜 砂夫

Author:白浜 砂夫
どうも ”しらはますなお” です。

岐阜県大垣市在住
昭和24年1月11日生まれ
67歳
B型

好きな歌人は、女性では与謝野晶子、男性では、島崎藤村、石川啄木です。詩や和歌や小説を書き始めて20年あまりになります。鹿鳴館を舞台にした小説を書いております。63歳にして一念発起してパソコンを始めました。ブログにも初挑戦です。

最新出版物
白浜砂夫の電子書籍




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