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短編小説・交換日記はいかがです8

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晶子は、喜一郎の家を訪ねた。
「九条さん、留美湖さんはがんばっていますか」。
晶子は、質問した。
「そうですねえ。始めのうちはと言うと、腰が据わっていないというか、落ち着きがありませんでしたねえ」。
晶子は、無言で聞いていた。
留美湖が、喜一郎の下に来た頃は、相当、突っ張っていたし、反発もしていた。
言葉の一つ一つが怒りにみちていた。
それが、他人に向けられたものでないことは、留美湖自身が、一番良く知っていた。
喜一郎は、留美湖がとても可哀相な、少女に思えてならなかった。
「詩や和歌の魅力は、何処にあるのでしょうか。」
晶子の目は、喜一郎に注がれていく。
その眼は、愛をしむ眼でもあった。
「難しい質問ですねえ。でも、とても良い質問だと思います」。
晶子と、由香里は、学生時代からの、仲良しだった。
由香里が、喜一郎と結婚してからも、よく遊びにきていた。
詩とはなにか、和歌とはなにか。歌い上げるその心とは何か。
二人は食事をしながら、よく語り合ったものだ。
それは、喜一郎という、共通の話題があったからでもある。
「詩歌を、書くとか、描くとかいうのでなくて、歌い上げると言う、その心は、詩歌の持つ、生き抜くことへの、人生の讃歌であるかだと思います。人生を生き抜くことを最大に讃え、一人一人の存在が、どれほど素晴らしいものであるか。それを讃歌して行く責務を持っているからでしょうねえ」。
「それを、情熱と言って良いのでしようか」。
と晶子。
「それだけの、小さな表現で語れるものではありません」。
「では」。
「詩歌そのものが、魂の叫びであり、詩歌そのものが、奥底に永遠を包んでいるもです。詩歌の道に、通じてくると、多少ではあるが、森羅万象の出来事を、予め、読めるということも出来るでしょう」。
晶子、語る言葉がない。
それでも、
「喜一郎さんは、詩歌をよく、朗読しなさいと、言われますが」。
「詩歌が、内なる魂の叫びである以上、朗読したほうが、心の奥底が良く理解できるとおもいます」。
晶子は思った。
喜一郎さんいう、永遠のロマンスへのあこがれとは、魂と魂(生命)で結ばれることを言いたいんですねえ。
この晶子の、思考が喜一郎につたわらないわけがない。それは、人を愛すると言うことは、人の、心の奥底まで分かるということでもある。
晶子は喜一郎の詩歌が大好きだった。その心は今も変わっていない。
「熱き思いなんて、いえない」。
と晶子。
「今、何て言ったの」。
と喜一郎。
留美湖さんのことで訪れたというのは、半分は言い訳だったのでしょうね。
佐和湖と、留美湖の、交換日記は日々を重ねる程、回数を重ねる程、味わい深い長文に変わっていった。
時には、胸を締め付けられるように、互いが、それぞれの時間に、読み続けて来たのである。
そんな中で、約束の一カ月は、後八日に迫っていた。

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プロフィール

白浜 砂夫

Author:白浜 砂夫
どうも ”しらはますなお” です。

岐阜県大垣市在住
昭和24年1月11日生まれ
67歳
B型

好きな歌人は、女性では与謝野晶子、男性では、島崎藤村、石川啄木です。詩や和歌や小説を書き始めて20年あまりになります。鹿鳴館を舞台にした小説を書いております。63歳にして一念発起してパソコンを始めました。ブログにも初挑戦です。

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