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短編小説・交換日記はいかがです2

短編小説・交換日記はいかがです2


                                        短編小説・交換日記はいかがです1




さて、その頃。
古都留美湖は勉強部屋にいた。
窓際に張り付いて空を見上げている。
昼食も取らずに、一人で閉じ篭もっているのだ。登校拒否。
青く澄み渡る空がやけに眩しい。
学校をサボる?といっていいのだろうか、何か耐えられない事でもあったのであろうか。
やがて、佐和湖や、大鳳晶子先生にも、判ってくるのである。
人に会うことが、辛くなるとか、耐えられなくなるとか、心が孤立していくのであろう。
留美湖十四歳。若い夏。
二階から見下ろした庭には、黄色いバラの花と、ラべンダーの花が、忘れられたように、ひっそりと咲いている。
さて、母親の佐和湖は、如何したらいいのか、苦悩は深まるばかりであった。
やがて、決心して、娘の在籍する中学校に出掛けて行ったのである。
段々、遠く離れていく二人の心。もう、埋めることの出来ない、溝の深さに、地獄に突き落とされていたのである。

職員室では、大鳳晶子先生が、時間を空けて待っていてくれた。
「娘は、何時も手を伸ばせば、握り返してくれるところにいてほしい。そう思っているのが、母親ではないでしょうか」。
佐和湖の涙交じりの言葉は、殊のほか、晶子の胸につき刺さっていた。
「私には、子供を産んだ経験は有りませんから」。
晶子は申し訳ない気分で一杯になった。
「子供って、親が嬉しそうに本を読んでいると、自分もどうしても読みたくなる。それは、講演会で聞いた話なんです」。
と晶子。
「そうですわねえ、子供って、親が嬉しい時、朗らかな時は、自身も、楽しい気分になっているみたいですねえ」。
と佐和湖は経験をかたるのである。
「子供は親の顔色を伺うと、面談の機会に話された方もいました」。
と晶子。
ふと、過日の相談者を思い出している。
「いい子でいたいという思いが強すぎるのかも知れない」。
と佐和湖。
「いい子でいたい。いい母親でいたい。いい先生でいたい。私の場合、いい先生でいることは、本当は負担なのです」。
と晶子。
「私も、いい母親でいることは、本当は、負担なのです。耐えられませんわ」。
と佐和湖。
二人は顔つき合わせて、じっと見詰めあったのである。
「実は、読書が嫌いな生徒がいてね。どうしてって聞いたら、読書感想文を、書かなくてはならないからって、そう言うんですよ」。
晶子は、苦笑いをしながら話をした。
「好きなように、読ませてあげたらいいのにねえ」。
と佐和湖。
「そうですよねえ。まず読書することが、好きになることが先ですはねえ。最初は、何か心に残ったこと、それだけを書いてみるのも良いのかも知れませんね」。
佐和湖は感じた。先生は私に同意を求めているのだと。
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プロフィール

白浜 砂夫

Author:白浜 砂夫
どうも ”しらはますなお” です。

岐阜県大垣市在住
昭和24年1月11日生まれ
67歳
B型

好きな歌人は、女性では与謝野晶子、男性では、島崎藤村、石川啄木です。詩や和歌や小説を書き始めて20年あまりになります。鹿鳴館を舞台にした小説を書いております。63歳にして一念発起してパソコンを始めました。ブログにも初挑戦です。

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