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中編小説・天使の君は輝いているかい???1

中編小説・天使の君は輝いているかい???1

童らは、遊び戯れる、故郷の山河よ。
父なる山は権現山。
海抜7百十八メートルの頂に上れば、眼下に笹間湖や、鵜山の七曲りの景観を見ることができるのだ。
母なる川は大井川。
家山、笹間、身成の支流を集めて、川は町の北から南へと流れている。
泣くな、大井川を包む川霧よ。お前が泣けば、父や母ない童は泣き崩れて、家に帰れなくなってしまうだろう。
愛子、どうか泣かないでおくれ。
お前が泣けば、先生はどうすればいいのか、分からなくなってしまう。
前原豊先生は、職を辞して、三重県の藤原町に帰ってしまった。
帰宅を待っていた、母の前で、彼は、誰憚る事無く泣いた。ただ、泣けて泣けて仕方がなかった。父は、何も聞こうとはしなかった。それは、人生の山坂を乗り越えてきた経験が、聞かずとも悟る、極意を知っていたからである。豊は、暫らくしてから、地元のセメント工場に職を得たのである。そしてときは、起伏の激しい人生劇場を、まるで水面に写し出すように、ゆっくりと、クリスタルに見せ付けてくれる。
豊は恋愛結婚をしている。同じ職場の娘と交際が実ったのである。妻は、伊豆は白浜の出身で、明治の女流文士も訪れている。(本当に寂しい所です。けれども景色は申し分御座いません。村の人達は天草を取って生活しています)、と手紙に書いている。その妻も、平成十五年に亡くなっている。ああ、愛しの妻亡き、十五年の春。豊は、一人旅の空の下にいた。
人は二つの故郷を持つという。
生まれた大地と、心の故郷。その、心の故郷を訪ねる旅だったのでしょうか?。
誰もいな日曜日の校庭。校庭には静寂な温もりがある。温もりが、何故か恋しくてならないのである。総数にして、僅か、四十名余りの、青空町立春霞小学校に、入学式の春を迎える。梅雨を越して、やがて夏休みとなり、運動会と遠足の秋を企画し、冬を尋ねて、一回り成長した姿で正月を迎えるのである。こんな、季節の繰り返しのなかで、学校の歴史は作られていくのであろう。時の流れに任せているようでも、確実に刻まれた時間の重さが、校舎の隅々に残っている。
前原豊の、教師生活は、僅か五年でしかない。そのうち三年間を、この春霞小学校で過ごしていたのである。彼は、帰るべき心の故郷に帰ってきたのだ。今、この校庭にたって、何ともいえないぬくもりを味わっている。時には、滑り台に、時にはブランコに、手で触れてみる。暫らく、校庭を散策していると、片隅に、花壇がまるで段々畑のように、立ち並んでいる。花は児童達が育てているのであろう。花は、学年別、夫々に違う花を育てているようだ。水を与えながら、黙々と観察している人がいる。一人で休日を愉しんでいるのでしょうか?。
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白浜 砂夫

Author:白浜 砂夫
どうも ”しらはますなお” です。

岐阜県大垣市在住
昭和24年1月11日生まれ
67歳
B型

好きな歌人は、女性では与謝野晶子、男性では、島崎藤村、石川啄木です。詩や和歌や小説を書き始めて20年あまりになります。鹿鳴館を舞台にした小説を書いております。63歳にして一念発起してパソコンを始めました。ブログにも初挑戦です。

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