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短編小説・女は強く生き抜いて華になる12(了)

短編小説・女は強く生き抜いて華になる12(了)


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時代を越えて、名花はスターであり続ける。その二

名花、一葉は『文学界』同人達から、フロンテと呼ばれていた。
上田敏・星野夕影・戸川秋骨・島崎藤村・馬場胡蝶・平田秀木・等ら、当代の一流作家達は頻繁に、一葉の家を訪れていたのである。
『たけくらべ』は明治二十八〜九年、最初は『文学界』に掲載されたことを忘れないでもらいたい。
ここで、『博文館』も動いた。
明治二十八年九月、『にごりえ』を掲載した『文芸倶楽部』の発行元は博文館なのだ。
『ゆく雲』他紙に掲載された『たけくらべ』など再掲載。
博文館は、日清戦争時に『日清戦争実記』で実積を伸ばすのである。
『十三夜』『やみ夜』が載った、同年十二月の『文芸倶楽部』臨時増刊号は、口絵に、一葉ら女性作家の肖像写真を掲載。
その反響はすざまじく、新しい時代の到来を予想させるものであった。

さて、季節は、初夏から、盛夏、やがて立秋へと変わっていくのである。
花は、白きリラの花から、ひまわりの花へ、やがて高原に、白百合の花や、リンドウの花が咲きほこるであろう。
教夫先生の応接間は花の写真が、額縁に入れられて多々、飾られている。
それは教夫先生の文学観なのであろう。
名花とだぶらせて見る、明治女流作家達の活躍。
そこに文学界に、新しい時代が来たことを、まるで喜んでいるかのようである。
「教夫先生。安達太良山の見学から帰って来ました。」
「おう、お帰リお帰り、それで?」
「先生が見た安達太良山は、『男の山だ。男のに生きる忍心を語っている山だ』と言ってましたね」
綾子が、高村光太郎の詩集『智恵子抄』の詩歌の故郷を巡る旅から帰ってきたのは、明日は立秋という日のことであった。
教夫先生は、常々、詩歌には、一人一人が、違う見方になっていいと言っているのだ。
むしろ、その差異を、容認することが、日本の文学界の奥深さであり、千年の歴史に耐え抜いた実力でもあると思えて
くる。
さようなら、に生きた智恵子よ。
智恵子あっての猪苗代湖であり、智恵子あっての安達太良山なのだ。
「さようなら、智恵子さん。私もに生き、に殉ずる人生にしたいと思います」
と、それが綾子の感想なのであろう。


(了)



読、熱く御礼申し上げますと共に、各地方にも、名花、明治を代表する女流作家が存在したことを、存じてはおりましたが、掲載できなかったことを、お詫びもうしあげます。
白浜砂夫
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

tag : 明治 文化 女流作家 文学

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プロフィール

白浜 砂夫

Author:白浜 砂夫
どうも ”しらはますなお” です。

岐阜県大垣市在住
昭和24年1月11日生まれ
67歳
B型

好きな歌人は、女性では与謝野晶子、男性では、島崎藤村、石川啄木です。詩や和歌や小説を書き始めて20年あまりになります。鹿鳴館を舞台にした小説を書いております。63歳にして一念発起してパソコンを始めました。ブログにも初挑戦です。

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