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短編小説・女は強く生き抜いて華になる7

短編小説・女は強く生き抜いて華になる7


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激突・『乱れ髪の君』を巡る『明星』と『心の花』、その一。

北白川教夫は、朗詠する。
「ああ、弟よ、君を泣く、君死にたまふことなかれ、末に生まれし君なれば、親のなさけはまさりしも、親は刃をにぎらせて、人を殺せとをしへしや。人を殺して死ねよとて、二十四までをそだてしや」
(詩、与謝野晶子、『君死にたまふことなかれ』より)
「先生、先生」
と、歌小路綾子。
慌てふためいて、書斎に入ってくる。
「どうしたんだ、綾子の君よ」
「先生、私に君を、君を・・・」
「うん、あの鉄幹も、妻、晶子のことを、乱れ髪の君と、呼んでいたから、真似してみたのだ」
「もう、先生ったら。敷島の道、和歌の道に生きる人って、そう言うこと、言うもんですか」
「まあな、あの晶子も、意外にね、平安時代より続いている王朝貴族の持つ文化や雅に対する憧れは、強いものがある。それで、綾子の君、その慌てようは」
「ハイ、先生。先生の朗詠する詩歌が、何時になく、哀愁を帯びていましたので・・・」
「哀愁ねえ、そうだねえ、悲しくなるよねえ」
と、言って、国際テロによって、死んでいった人々の哀悼文が、掲載された新聞を見せるのである。
「先生、綾子の君は、どんな人でも、生きて生き抜いて、未来に希望を繋げてほしと思います」
綾子の考えは、日本の女性が持つ考えだけではなく、元初よりの女性の考えであろう。
それでなくても、世界各国の新聞記事は、生命賛歌の鐘を高らかに鳴らしているではないか。
時代は、新しい歴史を作る時に来ていることを見識しなければならない。
「新聞は、よく読むように。良い記事は、切り抜いて、綴っておくようにしなさい」
「ハイ、先生、綾子の君は、新聞をよく読んで、一流の文化人と呼ばれるような人に成ります」
生きること、生き抜くことは、この世に生を与えられたものの責任。
良きにつけ悪につけ生き抜いて自らの主義、哲学を論ずることが責務だと、そう考える教夫先生。
この与謝野晶子の詩、『君死にたまうふことなかれ』は、明治の文壇のみならず、世間も騒然とさせたのである。
明治三十四年九月、『心の花』主宰者、佐々木信綱は、『明星』に掲載された、詩『乱れ髪』を、痛烈に批判した論文を掲載したのである。
文学界の早慶戦ともいえる一連の言論戦の延長戦上にあった、詩『君死にたもうことなかれ』は、その歴史的意義は、あまりにも大きいといわざる得ない。

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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

tag : 明治 文化 女流作家 文学 与謝野晶子 乱れ髪

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プロフィール

白浜 砂夫

Author:白浜 砂夫
どうも ”しらはますなお” です。

岐阜県大垣市在住
昭和24年1月11日生まれ
67歳
B型

好きな歌人は、女性では与謝野晶子、男性では、島崎藤村、石川啄木です。詩や和歌や小説を書き始めて20年あまりになります。鹿鳴館を舞台にした小説を書いております。63歳にして一念発起してパソコンを始めました。ブログにも初挑戦です。

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