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[新連載]短編小説・女は強く生き抜いて華になる1

短編小説・女は強く生き抜いて華になる1


愛と誇りに満ちた人生の旅・その一

明治時代を強く明るく生きた女流作家達の生き様。
それは、旅行というほどのものではなかった。
まして吟行と云う程のものでもない。
何を思いたったか、そう、ほんの小さな旅であった。
「先生、先生」
と、後ろ姿に掛ける声。
歌の小路綾子。
綾子は追いかけて来たのだ。
「もう、付いて来るなと言っただろう、吟行と云うほどのものではないんだ」
そう言う、北白川教夫。
その言葉には、人生に疲れたというような響きがあった。
「先生の言う小さな旅ってどんな旅なんですか。二十歳を過ぎても、十九の青春(はる)のままでいたい私には、よく理解できませんわ」
「まあ、思索を重ねる旅と言っておこう。書斎に閉じ籠って、原稿用紙と睨めっこしているだけでは、深みの有る良い小説は書けないからねえ」
「十九の青春のままでいたい私には、理解できない先生の行動・・・怪しい」
「もう、本当に困った奴だ。それに、十九の青春にこだわるのはどうして何んだ」
「樋口一葉も、与謝野晶子も、十九歳を過ぎてから、大きく花開いて開いて来ましたわ。先生の好きな作家一葉と、晶子。二人の十九歳が、私に言わせるのよ」
「困った奴だ。愛に酔っている。愛とはそう言うものではないだろう」

北白川教夫が、敦賀を越えて、小浜、舞鶴、久美川に至る、小さな旅を思いたったのは大きな理由などない。
奥京都を巡る小さな旅にも似ている。
ふとひらめいて、旅に出ただけのことである。
「お前が、十九歳より歳を取っていないと言うなら、そう言い続けろ」
教夫は、女性とは、よく理解できない不思議な人物だと思うのである。
明治という時代が、傑出した女流作家を多々作り出したのか。
明治時代をリードし偉大なる明治時代を作り上げたのは、案外、この女性達なのかも知れない。
思索を重ねて、歴史を訪ねて、教夫の小さな旅路は続いていく。
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

tag : 女流作家 文学 与謝野晶子 明治 文化

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プロフィール

白浜 砂夫

Author:白浜 砂夫
どうも ”しらはますなお” です。

岐阜県大垣市在住
昭和24年1月11日生まれ
67歳
B型

好きな歌人は、女性では与謝野晶子、男性では、島崎藤村、石川啄木です。詩や和歌や小説を書き始めて20年あまりになります。鹿鳴館を舞台にした小説を書いております。63歳にして一念発起してパソコンを始めました。ブログにも初挑戦です。

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