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短編小説・恋愛学入門9

短編小説・恋愛学入門9

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日々は流れる、思い出を作り。
末来への希望を乗せて、流れる詩歌も道ずれにして。
弟子の藤田湖水は歌う。
歌はロシア民謡、ボルガの舟唄。
母なるボルガの大河は歌う。
ロシア民族の魂は、人間賛歌の父なり。
湖水は、歌い続ける。
誰も居ない教室で。
ピアノはない、オルガンもない、こんな教室で、何がそうさせるのか。
歌太郎は、今ここに居ないけれども、聞いても叱りはしないだろう。
思い出がそうさせるのだろう。
愛に傷ついた心が、そうさせるのだろうか。
詩歌人である歌太郎は、認識しているはずだ。
ロシア民族のスケールの大きさと、偉大なる魂は、人間賛歌の故郷なのだ。
「あのチャイコフスキーが、愛してやまない国だから」
と、口癖のように語っている、そんな先生だから、弟子も弟子なら、先生も先生だ。
「まあ、上手いわ、来る所を間違えたんじゃない?」
外出先から帰ってきた春子は言う。
「聞いていたのか?」
「聞こえたのよ」
その頃、緑子は、胸の騒ぎを覚えていた。
もともと、歌太郎は、ふと、寂しそうな顔をすることがある。
それはそれでいいと思う。
相手の心の奥底まで知ろうとしないのが、一つの生き方であると信じてきたからだ。
ふと、歌太郎が漏らした溜息、溜息は、緑子の胸に突き刺さったことは間違いない。
土曜日の午後は、緑子にとって、過去を回想する時間でもあるようだ。
日曜日の朝が来た。
「さあ、歌太郎さん、ドライブに行来ましょうか」
「そうだね。それがいいんね」
緑子は、助手席に座った。
「いいね、出発するよ」
「どこへでも、どこへでも、連れて行ってちょうだいね」
「オーケイ、行くぞ」
車は、走り出した。
徐々に加速して行く。
ぺだるも軽い。
「緑子さん、元気ないみたいだけれど・・・」
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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プロフィール

白浜 砂夫

Author:白浜 砂夫
どうも ”しらはますなお” です。

岐阜県大垣市在住
昭和24年1月11日生まれ
67歳
B型

好きな歌人は、女性では与謝野晶子、男性では、島崎藤村、石川啄木です。詩や和歌や小説を書き始めて20年あまりになります。鹿鳴館を舞台にした小説を書いております。63歳にして一念発起してパソコンを始めました。ブログにも初挑戦です。

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