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短編小説・恋愛学入門5

短編小説・恋愛学入門5

                    短編小説・恋愛学入門1

                    短編小説・恋愛学入門2

                    短編小説・恋愛学入門3

                    短編小説・恋愛学入門4

歌は流れる、流れる詩歌、日々も流れて。
人は、貴女は、何を語りますか。
「先生、こっちよ」
夏珪春子が、手をかざして呼んでいた。
歌太郎は、店を見回してから、春子を見つけることができた。
夏珪春子、最近、歌太郎の私塾に加わった一人である。
同じ頃に、私塾に加わった一人に、藤田湖水がいる。
何を求めて、この私塾に集まってくるのか、歌太郎先生は聞こうとはしなかった。
愛と憎しみの間(はざま)で、あるいわ、愛と憎しみを超えて、人間賛歌の詩歌を高らかに歌い上げたいと言うのであれば、それこそ、人格のなせる業と言えるものだと考えるからである。
「いたいた」
歌太郎は、微笑んで言った。
「もう、先生ったら」
春子は膨れて見せた。
「御免、御免、待たせた」
「いいの、ほんの少しだけだから」
歌太郎は救われたような気がした。
この町、春子が生まれ育った町。
小さな町には、珍しいくらいの大きな喫茶店だ。
テーブルも、一つ、二つ、三つ、数えてみる。
十五卓以上はあるだろうか。
お客さんも、そこそこには入っているように見えた。
「先生、何になさいます」
「そうだねえ、アメリカンにしようかねえ」
「私も、いただこうかしら、ねえ」
「ああ、どうぞ」
「失礼します」
ウエイトレスが声を掛けてきた。
水とおしぼりが、手際よく差し出される。
「何に致しましょうか」
「アメリカン、二つ、モーニングサービスでお願いします。それにサンドイッチ」
「はい、わかりました」
ウエイトレスは、深々と頭を下げて、引き下がっていった。
「先生」
春子は、歌太郎先生を故郷の町に誘った訳を話し始める。
何でも、先生に知っておいてもらうのも、それも、弟子の道だと言うのだ。
成程と言うよりは、古風と言うべきである。
師弟の道、孝養の道、修行の道、教育の道、と道論争の好きな人である。
「昔、全ての道はローマに通ずると、教えてくれた先生もいたな」
と、歌太郎先生。
「そうねえ、全ての道は、魂が誘う道、人間賛歌の道」
その後、何と言ったかと言うと、わが魂魄(こんぱく)、が先生を此処に連れてきましたと、そう締めくくるのである。
誠に、不可思議な人が、また一人加わったものである。
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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はじめまして!

初めてコメントいたします。
ryoと申します。人気ブログランキングで興味を持って覗いて
見せていただきました。
短編小説ばどもブログで発表されておられるのですね。
温かい詩も心にすっとはいってきました。
プロフィール

白浜 砂夫

Author:白浜 砂夫
どうも ”しらはますなお” です。

岐阜県大垣市在住
昭和24年1月11日生まれ
67歳
B型

好きな歌人は、女性では与謝野晶子、男性では、島崎藤村、石川啄木です。詩や和歌や小説を書き始めて20年あまりになります。鹿鳴館を舞台にした小説を書いております。63歳にして一念発起してパソコンを始めました。ブログにも初挑戦です。

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