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短編小説・作家の書いた恋のレター3

短編小説・作家の書いた恋のレター3


                    短編小説・作家の書いた恋のレター1

                    短編小説・作家の書いた恋のレター2


千原正義が愛しい人へ送った恋の文。

北白川麗子さまへ。
移ろいゆく季節は、まるで貴女と過ごした月日を重ね合わせているようです。
初春から春に駈けて、萌出ずる草花と頬をなでる風の優しさに、まるで貴女と巡り会った頃を見出します。
初夏からお盆に駆けては、白い雲と青い空と照り付ける日差しの中で、燃え上がる恋の炎にこの身を焦がしてしまった私。
やがて訪れる初秋を迎えては、カフェテラスに腰かけて貴女と語り合った日々が、何故か懐かしくてならないのです。
やがて、木枯らしの吹く季節を迎えた時、貴女は私から去って行ったのでしたね。
それは、私の人生にとって、かけがえのないアルバムの1ぺージ1ぺージのようなものです。
雪月化、憂いの中に君を知る。愛おしい人よ。別れた後になった初めて知った貴女の魅力。
ああ、叶うものならもう一度、貴女と愛に生きる日々を迎えたいと望んでいる私なのです。
千原正義より。


久我歌子が訪ねて来たのは、晩春のリラの花咲く頃である。
花の色は赤。八重咲きの香り高き君に似た花よ。
花言葉は、若き日の思い出。
高貴なる瞳に君を見た時、心は時めいてしまった。
美しき人、北白川麗子。
その久我歌子も、何処かあの人似ている共通点もある。
正義にとって、想定外の来訪であったが、快く迎えいれた。
歌子というのは本名ではない。貴子というのが本名である。和歌の世界では、歌子というのは貴婦人とも言うべき
筆名なのである。歌子も歌人には違いないが、果たして名乗る程の実力があるとは思えなかった。
歌子を書斎に案内した。
広い部屋の中を歩いている。
「ねえ、正義さん。これは何?」
机の片隅、国語辞典や広辞苑、漢語林の上に置いた手紙を見つけた。
見つめる歌子。
気まずそうに頭を掻く正義。
「まるで、万葉の昔に帰ったような文章ね」
「雅語や季節感を多く入れているから」
歌子の顔色を見る。
「違うは、まるで恋文ね。それもじれったいような」
少し嫉妬心も入ってような、そんな言い方をした。
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テーマ : 自作小説
ジャンル : 小説・文学

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プロフィール

白浜 砂夫

Author:白浜 砂夫
どうも ”しらはますなお” です。

岐阜県大垣市在住
昭和24年1月11日生まれ
67歳
B型

好きな歌人は、女性では与謝野晶子、男性では、島崎藤村、石川啄木です。詩や和歌や小説を書き始めて20年あまりになります。鹿鳴館を舞台にした小説を書いております。63歳にして一念発起してパソコンを始めました。ブログにも初挑戦です。

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