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短編小説・砂に書いた漢字7

短編小説・砂に書いた漢字7



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「正子ちゃん、もう、お別れだよ」
詩織は言う。
「やっぱり」
と、正子は言う。詩織は黙ってうなずいた。詩織の家庭のことは、友達の君子から聞いていた。父と母と、三人で山村にある祖父の家に、引っ越すということらしい。
昭和十九年、同年。八月四日より、学童疎開は始まっていた。この、大震災は、さらに拍車を掛けたことであろう。
「正子ちゃんは、これからどうする」
「私は、お嫁さんになる」
詩織は、微笑みを返した。
「そうだよねえ、正子ちゃんは、お嫁さんになるって言っていたものねえ」
正子はうなずいた。
「詩織ちゃんはどうするの」
「私はねえ、高等科を卒業したら、働いて上の学校に行くことにするよ。学校の先生になるんだ。うん、負けない」
詩織に、笑顔が戻ってきた。
「詩織ちゃんなら、きっと、良い先生になれるよ」
「良い先生になれるかなあ」
「だって、こんなに、一杯、一杯、漢字を教えてくれたから」
二人が、こんなに時間を掛けて語り合うことは、もう二度となかった。正子が、学校へ行くことは、とても考えられるものではない。正子と、詩織の思い出の中に生きている学校は、あまりにも美しい。
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プロフィール

白浜 砂夫

Author:白浜 砂夫
どうも ”しらはますなお” です。

岐阜県大垣市在住
昭和24年1月11日生まれ
67歳
B型

好きな歌人は、女性では与謝野晶子、男性では、島崎藤村、石川啄木です。詩や和歌や小説を書き始めて20年あまりになります。鹿鳴館を舞台にした小説を書いております。63歳にして一念発起してパソコンを始めました。ブログにも初挑戦です。

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