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短編小説・(大垣市)水門川11

短編小説・(大垣市)水門川11



                                   短編小説・(大垣市)水門川1

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                                   短編小説・(大垣市)水門川10





勉強するということ、孝夫が語る言葉は、恩師の言葉でもあった。
「少しだったらいい」
「「少しだったらできる」
「うん、うん」
孝夫は大きくうなずいた。歌子は皆を見渡して言った。
「一生懸命勉強したら、そうねえ、孝夫さんにドライブに連れていってもらいなさい」
「ドライブ、ウフ、うれしい」
と、静香は騒いだ。
「ああ、いいとも」
孝夫は承託した。
「それでいつ、いつなの」
好恵が甘えてくる。
「いつかねえ」
歌子から一筋の涙が流れた。
「何時でも連れて行ってやるよ」
孝夫は、涙の訳を知ったのである。
「私、故郷に帰るかもしれない」
歌子の、インパクトのある言葉。
二人は、大きな衝撃を受けたのである。
昼間はまだ暑い日が続いているのに、
夜の秋ともなれば、心はちじに乱れて、寝られぬ夜が苦しくなる。
故郷は、父なる大地、母なる都ぞ。命ある限り消え去りはしない。
東京は、心の都であるが、心の故郷にはなれない。
東京の大学へ行って、学問の道を修めたいとは思ったが、住みたいところと思ったことはない。母、富子は、孝夫の人となりを知っているがゆえに
「そう、この子がねえ、東京にねえ。やっぱりねえ」
と、孝夫に語る言葉は余りにも寂しいものであった。
孝夫の、苦悩は深まり行くばかりであった。
孝夫は、歌子を喫茶店に呼び出した。
外出する時間帯を狙って、電話を入れたのである。
「今度の日曜日、四人でドライブに行こうよ」
歌子の悲しみを、少しでも和らげてやりたい、そう考えたのだ。
「有り難う、私はもういいの」
歌子は、首をふった。
「もういいの?」
「あの娘達とても楽しみにしていたわ。いい励みになるわ」
「わかった約束する」
「きっとよ」
「場所は大垣駅の入り口、時間は午前九時半」
「ありがとう」
歌子は頭を下げた。
「故郷に帰るんだよ。故郷に帰るのが幸福なんだ」
慰める孝夫。
「あなたは、私の気持ちをわかってくれない。わかってくれない」
「歌子・・・歌子」
「いいの、私、故郷に帰るから」
二人は、無言のまま見詰めあっていた。
日曜日、孝夫と静香、好恵。
三人が養老公園、孝子の滝へ行ってから、事態の進展は早まって行く。
歌子の元に、急ぎ帰宅の手紙が届いたのである。
お見合いの相手が、大変乗り気になっているというのである。日取りも決まったということである。歌子はあきらめ切れない、自分が悲しかった。私はあの人と世帯を持ちたい、あの人のお嫁さんになりたい。涙ぐんでも聞いてくれるひとはいない。
そして、歌子は行動にでた。
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プロフィール

白浜 砂夫

Author:白浜 砂夫
どうも ”しらはますなお” です。

岐阜県大垣市在住
昭和24年1月11日生まれ
67歳
B型

好きな歌人は、女性では与謝野晶子、男性では、島崎藤村、石川啄木です。詩や和歌や小説を書き始めて20年あまりになります。鹿鳴館を舞台にした小説を書いております。63歳にして一念発起してパソコンを始めました。ブログにも初挑戦です。

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