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短編小説・(大垣市)水門川7

短編小説・(大垣市)水門川7



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孝夫は語る。
「俺、将来は、先生になっても良いかもしれない、と思ったね」
「あなたが、将来は先生にねえ。きっと同じことをするかもね」
歌子は考えた、孝夫と私を隔てているもの。それは歳の差、
それとも、東京への憧れ、東京の大学を受験したよ、言っていたものねえ。
どちらにしても、攻めるには厳しい、水門川の外堀のようなものなのでしょうか。
夏は夕涼がいい。
歌子は浴衣を着て現れた。彼女のいう、贅沢といっていい。
思い切って買ったというのである。孝夫と二人で打ち水をした街を歩きたくなったという。
二人はとんかつ料理の美味い店に入った。孝夫は、味噌カツ定食が大好きだ。その味噌カツの美味さを、この店へ入ってから知ったのである。
「今日は私に払わせてね」
歌子は財布からお金を出した。あわてて孝夫は止めた。何処え行っても、乗合茶房をはじめ、どの店で食事をしても支払いをした。歌子の、心根の優しさを知ったときから、充分に満たされていた。
「年上の人が払うものなのよ」
それは、恋するゆえの抵抗なのか、悲しい叫びなのか、分らないままである。
二人はいつしか、城東の、街、店店まで歩いていた。
「母から、お見合いをさせるから、帰ってこいと言ってきたの」
「お見合い」
聞いても驚かない孝夫。
「見合いって言ってるけど、それは、形ばっかりで、結婚させられちゃうかも」
寂しそうに言う歌子の声。
「お父さんも、帰ってこいよって言っているんだねえ。」
質問する。
「父も同じ、お見合いをさせるから帰ってこいと言っているのよ。如何すれば善いのよ」
「如何すればいいのよといわれても」
後が続かない。
「そうよね。そうよえ。私なんか帰ってしまえばいいのねえ」
溢れくる涙を、ハンカチでぬぐ歌子の姿を、街灯りは映し出していた。
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プロフィール

白浜 砂夫

Author:白浜 砂夫
どうも ”しらはますなお” です。

岐阜県大垣市在住
昭和24年1月11日生まれ
67歳
B型

好きな歌人は、女性では与謝野晶子、男性では、島崎藤村、石川啄木です。詩や和歌や小説を書き始めて20年あまりになります。鹿鳴館を舞台にした小説を書いております。63歳にして一念発起してパソコンを始めました。ブログにも初挑戦です。

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