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短編小説・君に心は届いたか1

短編小説・君に心は届いたか1


大久保孝夫は、机に座ってペンを走らせていた。
思考するに、古の万葉の時代に遡れば、大和の国はいかなる国ぞ。
(和)とは、平和なり、(大和)とは、(平和の王国)の別称なるかな。
(大和の言の葉)は、美しき文字と、清らかで静まりしむ音声の世界なるかな。
孝夫の小説は、この文章から始まっている。
この日は土砂降りの雨だった。
窓越しからは、近くの小瀬川が、見る見るうちに水嵩を増していくのがよく見える。
季節外れの大雨は、さすがに孝夫の心を重たくした。
午後零時、何時ものように、ラジオの番組にスイッチを入れた。
ラジオといえば、NHKと岐阜ラジオを聴いている孝夫だった。手持ちできる旧式の携帯ラジオは、彼の強い味方であった。
最近よく聞くようになった、午後零時五分から始まる、・午後はいつでもハッピータイム・を聞くためである。毎週月曜日から金曜日までの五日間続くのである。
それが、孝夫の日課になりつつあったのである。
水曜日の午後は、お客の少ない孝夫の古物骨董屋さん。彼は小さな店を経営していたのである。甘木真理子は、この番組の、主に、・あなた選ぶ歌謡曲・のコーナーを担当していた。
今日の孝夫の心は、不思議な世界にあった。
それは、何ともいえないフワーッとする優しさと、温かさに包まれて、穏やかな気分になったのである。何時も聴き慣れている真理子の声なのに、今日は何か新しいものを発見したような感触であった。
それは真理子の、声の魅力、清らかで静まりしむる音声にあると、そう確信できるようになるには、しばしの月日を要するのである。
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プロフィール

白浜 砂夫

Author:白浜 砂夫
どうも ”しらはますなお” です。

岐阜県大垣市在住
昭和24年1月11日生まれ
67歳
B型

好きな歌人は、女性では与謝野晶子、男性では、島崎藤村、石川啄木です。詩や和歌や小説を書き始めて20年あまりになります。鹿鳴館を舞台にした小説を書いております。63歳にして一念発起してパソコンを始めました。ブログにも初挑戦です。

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