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短編小説・鹿鳴館と公家16

短編小説・鹿鳴館と公家16


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当に、中軸は動かざるを得なかった。
古より続く伝統、それは、花鳥風月にも見られる。
春の花といえば、さくら。秋の紅葉といえば、もみじ。
儚きは花紅葉。ああ、それは奈都子、貴女に似た花模様。
誰が為に咲き、誰がために散ろうというのか。
鹿鳴館にも春秋はある。そこに咲いた花は、幻(まぼろし)の花なり。
当時、欧風化の流れの中で、期待を一心に集めていた。残念なるかな、不平等条約の改正は、志中途で破れたり。
ああ、そして、生ける屍となれり。やがて、庶民の批判と、反撥のなかで、秋(とき)を迎えて消え去っていったのである。
愛する二人は、どうしているのか。忍び愛、人目を隠れるような愛になってしまったのか?
「平民として、心の命ずるままに生きていきたい」
と、孝道の言葉は本気である。
「私は家を出たい」
心に、愛を秘めながら言う奈都子。
「家を出たい。どうして」
「あなたと一緒ですわ」
言葉の意味が理解できなないでいる孝道。
「私より恵まれてきたあなたが」
「恵まれているこいとと、心の奥底は別ですわ」
「こころの奥底ねえ」
「ええ、あなたが平民として生きようと決めた時から、私も家を出なければと、思うようになりましたわ」
「それでいいのですか」
と、孝道。見詰め合う二人。
「それでいいのですわ」
「四条様の若君や、歌小路の若君は、貴女に恋している」
と、孝道。
「ええ、例えそうであっても、私の心の中には存在しませんわ」。
「では、誰が存在しているのですか?」
思い切って聞いてみる。
「知っているくせに、うんん、知っているくせに」
と、拗ねる奈都子。
「あなたを、過去の存在にしたくないのです。もしかしたら、初恋の人は、あなたではないのですか」
と、奈都子。
「そうです。わたしです」。
「やっぱり、初恋の人はあなただったのね」。
「大好きだよ。だから、君を思い出の人にしたくない」
と、孝道。その手で引き寄せてだきしめた。
「私を、何処か遠いところへ、連れて行って下さい」
と、言って泣く奈都子。
「貴女を連れて行きたいのです」
「二人で家を出ましょう」
と、言葉を合わせた二人であった。
この世で、押し止めることのできないものが二つある。大河の流れと恋心である。
ある人達は、己の無力さを嘆き、ある人達は、偉大なる力に感動するのである。
やがて、ドラマは、クライマックスへと近付いていく。
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プロフィール

白浜 砂夫

Author:白浜 砂夫
どうも ”しらはますなお” です。

岐阜県大垣市在住
昭和24年1月11日生まれ
67歳
B型

好きな歌人は、女性では与謝野晶子、男性では、島崎藤村、石川啄木です。詩や和歌や小説を書き始めて20年あまりになります。鹿鳴館を舞台にした小説を書いております。63歳にして一念発起してパソコンを始めました。ブログにも初挑戦です。

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白浜砂夫の電子書籍




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