スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

短編小説・鹿鳴館と公家15

短編小説・鹿鳴館と公家15


                                  短編小説・鹿鳴館と公家1


                                  短編小説・鹿鳴館と公家2


                                  短編小説・鹿鳴館と公家3


                                  短編小説・鹿鳴館と公家4


                                  短編小説・鹿鳴館と公家5


                                  短編小説・鹿鳴館と公家6


                                  短編小説・鹿鳴館と公家7


                                  短編小説・鹿鳴館と公家8


                                  短編小説・鹿鳴館と公家9


                                  短編小説・鹿鳴館と公家10


                                  短編小説・鹿鳴館と公家11


                                  短編小説・鹿鳴館と公家12


                                  短編小説・鹿鳴館と公家13


                                  短編小説・鹿鳴館と公家14



「奈都子さん」
「ごめんなさい。泣いたりして」
次の言葉が出てこない。しばし、瞼を閉じる。
「そうですわねえ。仮面の舞踏会は」
「仮面の舞踏会は、どうでしたか?」
「まるで、高慢なるものの、歌劇を見ているようでしたわ」
「仮面の舞踏会こそ、日本の歌劇だと言うのですねえ。仮面は、人間の二面性を隠すには調度いいものかもしれませんね」
「まあ、孝道さんらしい、意見ですはねえ」
「仮面の下に隠した魔性の人格」
と、言って身を乗り出す。
「魔性ねえ。権力奪取への飽くなき野心と、考えてもいいのですねえ」
と、奈都子。
「そう捉えてもいいと思います」
と、孝道。
「今上様は、音楽文化を愛で、奨励され、褒賞金まで出されていますが、それと比べれば、日本の歌劇は、にせものと言わざるをえませんねえ」
と、奈都子。
「それが、魔性の世界だからです。聞くところによると、そう又聞きですが。紀州徳川公の子息は、音楽文化の発展と、欧米世界との交流に、財産をつぎ込んでいるということですが」
と、孝道。
「そうなんですか。もしそうだとしたら、国家という立場でみれば、どれ程いいかもしれませんねえ」
と、奈都子。
「生き様としても、美しい。うらやましい」
と、孝道。
「貴方が、鹿鳴館の舞踏会に、行きたくない理由がよくわかりました」。
「私は、平民です」
と、答える孝道。
「今となっては、平民のほうが幸福なのかもしれませんね」
「そうねえ。そこには、無い者の気楽さがあるから」
と、孝道。
「あなたが、摂家の人だったら、そう気安く会うことができませんものねえ」
「まず、そう簡単にはね。貴女に会うことだって、簡単なことではないのですから」
と、言って目で合図する孝道。
「あなたが平民で良かった」
と、微笑む奈都子。

当時、世間の注目を集めていたのは、何かといえば、やはり、憲法の制定であろう。
大日本帝国憲法の起草は、伊藤博文が、井上毅(こわし)、伊藤巳代治(みよじ)、金子堅太郎らと共に、十九年の秋から着手したのである。
二十年五月上旬。
『甲案』(乙案)を起草したのである。

五月も末、役目を終えた?、ひと句切りがついたとでもいうのであろうか、今上様に辞表を提出している。これは、形式上は、と言うべきであるが、本意であるということもある。これも、歴史の闇というべきであろう。
二十一年四月の下旬、正式な草案として、今上様の元に提出されたのである。
当時の流れとしては、黒田清隆に代表される、薩摩派参議は、旧専制体制を維持しようとしていた。山縣有朋ら、長州派参議は、立憲制『立憲君主制』の導入を計っていたのである。大隈重信、佐賀出身。板垣退助、土佐出身の、急進派は、議員内閣制の導入を目論んでいたのである。
スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

白浜 砂夫

Author:白浜 砂夫
どうも ”しらはますなお” です。

岐阜県大垣市在住
昭和24年1月11日生まれ
67歳
B型

好きな歌人は、女性では与謝野晶子、男性では、島崎藤村、石川啄木です。詩や和歌や小説を書き始めて20年あまりになります。鹿鳴館を舞台にした小説を書いております。63歳にして一念発起してパソコンを始めました。ブログにも初挑戦です。

最新出版物
白浜砂夫の電子書籍




ランキング
投票お願いします。
にほんブログ村 ポエムブログへ


人気ブログランキングへ



ブログランキング

ブログ王

アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
5977位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
小説・詩
130位
アクセスランキングを見る>>
砂夫ちゃんカウンター
最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

検索フォーム
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。