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短編小説・鹿鳴館と公家11

短編小説・鹿鳴館と公家11


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とある日のこと。
振り返る奈都子に、
「沢の上家のお嬢さん」
と、声を掛ける人あり。
「あ、えーと、どなたですか?」
と、尋ねる奈都子。
「小さかった頃のことですから、忘れていると思いますが、父上の葬儀に」
と、壮年の人は言う。
「果てさて、思い出せませんが」
と、奈都子
「ほら、あの、調所ですよ。父上の下で戦わせてもらった」
と、言う壮年。
「調所さん」
「ええ、岩倉村の調所です」
と、笑顔で言う。
「ああ、あの調所様ですねえ」
と、笑顔で答える奈都子。
「思い出してくださいましたか」
「中山忠光様(大納言家)の、天誅組を支援する為、父と行動を共にしてくださった方ですね」
「はい、そうです」
「ご苦労をお掛けしました」
「いや、あの頃は、血気盛んでしたから」
と、頭をかいている。
「それでは、どこへ行かれるのでしょうか」
と、奈都子。
「今日、上京して来たのは、息子の様子を見るのと、沢の上の父君に、線香の一本でも上げさせてもらおうと、思っているのです」
と、調所一義。
「御子息様は、上京されていたのですねえ。連絡くだされば駅まで迎えに参上いたしましたのに」
「申し訳ありません。今は外国語学校で学んでいるのです」
と、一義。
「それは、それは、立派な御子息様で」
「息子の様子をみたら、沢の上家を訪問して、その後、三條の内府様に、お願いに行こうと思っているのです」
「お願い?」
「はい、内府さまの、紹介を得て、この東京で、官職に就きたいと思っているのです」
「内府様の、一声ねえ」
奈都子は思った。
人の思考というものは、時代が変っても変化することがないのであろうか。
「はい、内府様力で」
「まあ、どちらにせよ、亡き父上も、どんなにか喜ぶことでしょう」
「有り難うございます。息子に会ったら、帰りには寄らせていただきます」
「お待ちしています」
と、頭を下げる奈都子。
調所一義は、足速に立ちさっていったのである。
彼は、明治三十三年五月十日。皇太子殿下と、九条道孝公爵の娘、節子(さだこ)姫との御婚儀がとり行われた。
前日の九日。
特授をもって、王子勤労の功に対して、依勲功正六位(男爵、又は準男爵)を賜ったのである。
彼、調所一義に、遅い春がやってきた。
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プロフィール

白浜 砂夫

Author:白浜 砂夫
どうも ”しらはますなお” です。

岐阜県大垣市在住
昭和24年1月11日生まれ
67歳
B型

好きな歌人は、女性では与謝野晶子、男性では、島崎藤村、石川啄木です。詩や和歌や小説を書き始めて20年あまりになります。鹿鳴館を舞台にした小説を書いております。63歳にして一念発起してパソコンを始めました。ブログにも初挑戦です。

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