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短編小説・鹿鳴館と公家8

短編小説・鹿鳴館と公家8


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                                  短編小説・鹿鳴館と公家7



「お師匠さんは、花それぞれの値段に関してはまったく無頓着で、それが又、お師匠さんらしいところうかもしれませんねえ」
と、奈都子。
「それでは、支払いは大変ですね」
と、恵理子。
「ええ、いつも後になって、支払いに苦労してらっしゃるようで」
と、奈都子。
「でも、そんなことを考えていたら、花など選べませんものね」
と、恵理子。
「好きな花、綺麗な花で飾りたい一心なのです」
と、奈都子。
「お師匠さんは、本当に花が大好きなんですね」
と、恵理子。見習わなければいけないと思うのである。
「大変だけど、華道の道で食べていけたら、どんなにかいいでしょうねえ」
溜息まじりに言う奈都子。
「そりゃ、私だって」
「そうなれば、少しはあの人の役に立つかしら?」
と、奈都子。
「あの人?」
「う、ん。気に留めないでね」
と、奈都子。彼女は、華道の極美、ものの哀れをよく理解していた。
日本の伝統の美は、家庭を訪れた時にも、見ることができる。下駄箱の上に何気なく置かれた一輪挿しの花。
それは、わび、さびの心を愛る日本の、伝統の文化に通じているのである。

やがて、二月も立春を過ぎて、奈都子再び、鹿鳴館の舞踏会へ行く。
「そうね、三條の内府様は、国民的な人気者ですものね」
と、奈都子。
「成る程、それで鹿鳴館に集う淑女は、内府様を取り囲むのですね」
と、孝道。
「だって、そんな立派な人と、ワルツを踊れるなんて光栄でしたわ」
奈都子の、屈託のない言葉は、孝道を安心させたのである。
「でも」
「でも?」
と、次の言葉を待つ孝道。
「内府様に、負担を掛けてばかりいるのではないでしょうか?」
と、暗く沈む。
「いいじゃないですか。三條の内府様は、奈都子さんのことが、可愛くて可愛くて、仕方がないのですから」
「でも、やっぱり私は、華やかな社交界で生きたいと思いませんわ」
と、奈都子
「どうして」
「あなたの居ない鹿鳴館など、なんの興味のありませんわ」
奈都子の、どこかさびしそうな表情を、横目でそらす孝道。
「私は華族なんかじゃない」
「華族じゃないから鹿鳴館に行けないっていうのね」
「そうだ」
「嘘でしょ、噂によると、摂家の御落胤であっていうことだけど」
と、奈都子。
「う^ん。摂家の御落胤ね。うーん。冗談ですよねえ」
と、孝道。
「でも、あなたには、どことなく光り輝くものがある」
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プロフィール

白浜 砂夫

Author:白浜 砂夫
どうも ”しらはますなお” です。

岐阜県大垣市在住
昭和24年1月11日生まれ
67歳
B型

好きな歌人は、女性では与謝野晶子、男性では、島崎藤村、石川啄木です。詩や和歌や小説を書き始めて20年あまりになります。鹿鳴館を舞台にした小説を書いております。63歳にして一念発起してパソコンを始めました。ブログにも初挑戦です。

最新出版物
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