スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

短編小説・鹿鳴館と公家5

短編小説・鹿鳴館と公家5


                                  短編小説・鹿鳴館と公家1


                                  短編小説・鹿鳴館と公家2


                                  短編小説・鹿鳴館と公家3


                                  短編小説・鹿鳴館と公家4



翌二十三年、一月二十二日に予定されていた晩餐会まで、鹿鳴館を華やいだものにしたことは、まぎれもない事実なのである。
帝國議会の開せつをまえに、初の、衆議院選挙は、同年七月に行なわれたのである。
鹿鳴館は、時代の流れを知っているというべきであろう。
孝道は、養母、良子様によって育てられたのである。
あれは、三歳の頃のことであろうか、生母、宇治の局は、孝道を残して、急逝している。
孝道には生母の記憶がないのである。
実母『じつぼ』に、生母に、養母、公卿の世界は実に難しい。
良子は、昨今独身で通しおているが、浮いた話がなかったわけでもない。
御子左の父ぎみとの、浮名はつとに有名である。
良子は、公家の間では、聡明で、美人な女として、よくしられていた。

さて、良子の姉というのは、白川局とって、摂家の妻女である。もちろん孝道の実母『じつぼ、おんも』ということになっている。良子は、そのことを誰にも語ろうとしないし、かたりたくなかった。
語れば、自分の身の上、独身にして平民の養母にすぎないこの身が、辛くなるからである。また、孝道が母のように慕ってくれているし、本家の執事がなかなか出来た人物で、いろいろ、何かと気を使ってくれているのである。
孝道が、自身が日陰の存在として、自暴自棄にならずに、一つの道を究めようと、切磋琢磨している姿を見るにつけ、平民の親子として生きるのも、一つの人生なのかもしれないと、思い悩んで来たのである。
良子は、御子左の父君との恋をあきらめて、孝道を育てることを選んだのである。
さて、良子は常常、孝道の行く末をあんじていた。孝道に、良家のお嬢さんをと考えるようになっていたのである。その、良子の目に止まったのが、四条様の傍流にあたる香所久爾子様である。
久爾子は良子に招かれて清所家を訪れたのである。
果たして久爾子は、孝道のことを気に入るのであろうか、良子には自信がなかった。
後日、分かったことであるが、この良子の独断な行為は、白川局様の不興を買うことになったのである。
「当家を何と思っているのか。仮にも摂家であるぞえ。格が違いすぎるぞな」
白川局さまの面目は丸潰れである。
なさぬ仲でも、嫡流の子とし、そこそこの格をつけて、形の上からでも、本家から送りだしてやらねばならぬと、そう思い続けて来たからである。
スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

白浜 砂夫

Author:白浜 砂夫
どうも ”しらはますなお” です。

岐阜県大垣市在住
昭和24年1月11日生まれ
67歳
B型

好きな歌人は、女性では与謝野晶子、男性では、島崎藤村、石川啄木です。詩や和歌や小説を書き始めて20年あまりになります。鹿鳴館を舞台にした小説を書いております。63歳にして一念発起してパソコンを始めました。ブログにも初挑戦です。

最新出版物
白浜砂夫の電子書籍




ランキング
投票お願いします。
にほんブログ村 ポエムブログへ


人気ブログランキングへ



ブログランキング

ブログ王

アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
7382位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
小説・詩
170位
アクセスランキングを見る>>
砂夫ちゃんカウンター
最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

検索フォーム
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。