スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

短編小説・学級委員長物語12(了)

短編小説・学級委員長物語12(了)


                                 短編小説・学級委員長物語1


                                 短編小説・学級委員長物語2


                                 短編小説・学級委員長物語3


                                 短編小説・学級委員長物語4


                                 短編小説・学級委員長物語5


                                 短編小説・学級委員長物語6


                                 短編小説・学級委員長物語7


                                 短編小説・学級委員長物語8


                                 短編小説・学級委員長物語9


                                 短編小説・学級委員長物語10


                                 短編小説・学級委員長物語11




それから、出演者十三人全員が、舞台の最前列に整列した。
教頭先生が、客席から壇上に進み出た。
「普通なら、先生の指導の下、練習を積み重ねていくところうですが、あいにく担任の先生は、事故で三ヶ月の入院ということで、いませんでした。それでも、学級委員長を中心に、自分たちの力で、立派に上演することが出来ました。本当によくやってくれたと思います。また、大結集してくださいました、PTAの谷川会長をはじめ、会員の皆様に厚くお礼申し上げます」
と、話したのである。
文香と純一は、総監督の幸治と、助監督の雪夫を、舞台の中央に引っ張り出してきた。
「よくやった」
「いいぞ」
「何か話しをしてください」
客席から声が上がった。幸治は、促されるように、話し出したのである。
「本日は、私たちの為に、多忙な中・・・」
それから先は、どんな話をしたのか、さっぱり思い出せないでいる。
ただ後日、会長の谷川さんから
「実に、素晴らしい話でした」
と、誉めてくださったことから、理解できたのである。
その時、傍にいた雪夫は見た。出演者の何人かは見たであろう。幸治は、滝のように流れる汗をかいていた。手足は、ガタガタと震え、しばし止まらないでいる。
そんな中で、話をしていたのだった。
「本当に、リンドウ組の、クラスメイトは、心を一つにして、よくがんばってくれたと思います」
幸治が話し終わって、出演メンバーは、
「学級委員長、学級委員長、」
と、口々に叫んでとりかこんだのである。

蛍の光、窓の雪
歌は流れる、流れる歌は、数々の思い出を乗せて、歌は流れていく。
さようなら、白樺小学校、さようなら、太陽先生、さようなら、教頭先生。
あなたたちは、私達を信頼して、暖かく見守ってくださいましたね。本当に幸せでした。
さようなら、友達、さようなら、初恋の人。思い出として何時までも、何時までも、心の奥で生き続けていくでしょう。
未だ、先生のいない、最後のクラス会。
「太陽先生のこない同窓会なんか、考えられない」
と、広子はいった。
「太陽先生は、何時まで立っても、俺たちの先生でいてくれるはずだ。それだけで充分だ」と、良一も言った。
幸治は、誰もいないはずの、最後の一人として、教室のドアを閉めようとしていた。
その、誰もいないはずの教室の片隅に、真理子は一人いた。
「山本君」
「真理子」
幸治はびっくりした。
「来るのを待っていたの。話があります」
「話があるって?」
幸治は、真理子と向き合った。真剣な眼差しにはっとした。
真理子は、一緒にブランコに乗ろうと言いだした。二人は校庭に出た。
「私、私は山本君が大好きだった」
幸治は驚いた。
「どうして、僕のことを」
と、聞いてみる。
「だって、山本君は、皆に対して、いつも公平だったよ」
「まあ、それはね、学級委員長としてね」
「そんな、山本君が、大好きだったの」
「バカだなあ、もっと早く言ってくれれば、きっと真理子のこと、大好きになっていたのにね」
「いいの、いいの、これで良かった。今はただ、一緒にブランコに乗っていてね」
真理子は微笑んだ。
「ああ」
やがて、夕闇が迫ろうとしていた。それでも二人は、いつまでも、いつまでも
ブランコから離れようとはしなかった。





(了)

ご愛読、厚く厚くお礼申し上げます。
中秋のよき日を過ごされますよう、お祈り申し上げます。
スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

白浜 砂夫

Author:白浜 砂夫
どうも ”しらはますなお” です。

岐阜県大垣市在住
昭和24年1月11日生まれ
67歳
B型

好きな歌人は、女性では与謝野晶子、男性では、島崎藤村、石川啄木です。詩や和歌や小説を書き始めて20年あまりになります。鹿鳴館を舞台にした小説を書いております。63歳にして一念発起してパソコンを始めました。ブログにも初挑戦です。

最新出版物
白浜砂夫の電子書籍




ランキング
投票お願いします。
にほんブログ村 ポエムブログへ


人気ブログランキングへ



ブログランキング

ブログ王

アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
3833位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
小説・詩
90位
アクセスランキングを見る>>
砂夫ちゃんカウンター
最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

検索フォーム
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。