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短編小説・学級委員長物語7

短編小説・学級委員長物語7


                                 短編小説・学級委員長物語1


                                 短編小説・学級委員長物語2


                                 短編小説・学級委員長物語3


                                 短編小説・学級委員長物語4


                                 短編小説・学級委員長物語5


                                 短編小説・学級委員長物語6





青紫色のリンドウの咲く頃は、なぜか、初恋について語られる事もある。
小春日和の日々は、白樺小学校の校庭のブランコには、仲良しの男女が並んで遊んでいる姿が見受けられる。
幸治と広子、昭夫と文香もブランコで遊んでいた。
あちらこちらでは、晩秋を愛しむ様に立ち去りがたい姿が見受けられる。

そして冬休み。
正月を過ぎて、六年間の総仕上げともなる三学期が始まるのである。
学級委員長が、副委員長を連れて、職員室に出入りする事が多くなる。
やがて巣立ち行く生徒達。
行く歳月を懐かしむ暇もなく送り出さなければならない教職員達。
それぞれの熱き思いが交差して、やがてクライマックスを迎えようとしていた。

事件は、そんな、最も忙しい日々の中で起きた。
二月三日、節分の日の午後。
太陽先生は、公用で、夢花町の中心街に来ていた。
教育委員会に立ち寄った後、急いで車を走らせて、帰校しようとしていたのだ。
カーブに差し掛かった所で、ハンドル操作を誤って、車は崖下に転落してしまった。
後続車の通報で、すぐさま、救急車で町営病院に運ばれた。
足腰を骨折して、全治三ヶ月の入院との診断が下されたのである。
校長先生の嘆きは、いかばかりであろうか。この話はすぐに、リンドウ組の生徒達の下にも届いてしまった。
「学級委員長」
一郎は走って来た。
「何かあったのか?」
と、幸治。
「先生が、先生が、事故で緊急入院したらしい」
と、一郎。
授業前のクラスは、大騒ぎになった。
「学級委員長、どうしょう」
と、雪夫が声を掛けてきた。
「皆、静かにして、とにかく今は、自主学習をしていようよ」
と、幸治がそう話し終わったあと、間もなく、ドアを開けて、教頭先生が入って来た。
幸治と教頭先生の話しは、クラス会についてであった。
卒業演劇の演目と、練習のスケジュールを、話し合う事で一致したらしい。
教頭先生は、すぐに退室した。
卒業演劇と言うのは、六年生が劇をして、親、卒業生に見てもらる、午後の部と、在校生に見せる午前の部の二部構成で行われる。
最後のとりを務める、最も華やかな行事である。
幸治はまず、前日、太陽先生から話しがあった、上演日。
その上演日を、皆と確認し合った。
幸治は、そこから、逆算して行く事を考えた。
「皆に、お願いしたい事があります」
教室内がシーンとした。
「それぞれに、上演する演目を考えて来て欲しい。明後日までにです。太陽先生から頂いた数点の資料。それからお兄さん、お姉さんの居る人は、聞いてみるのも良いでしょう」
「今日は、何を話し合うのだ」
と、立ち上がって言う古田純一。
「監督、助監督とか、それに舞台監督も決めればいいと思います」
千佳子も、立ち上がって言った。
その後、
「先生が居なくて、俺たちだけでできるのか?」
と、一郎は叫んだ。
教室内では、ヒソヒソ話しが始まった。
「静かにして」
幸治は大きな声で言った。
再び、シーンとなった教室。
「今、話し合える事は、決められる事。その決められる事を、皆で、話し合っていこうよ」
と、言って幸治は皆の目を見た。
「そうだ」
昭夫は立った。
豊も釣られて立った。
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プロフィール

白浜 砂夫

Author:白浜 砂夫
どうも ”しらはますなお” です。

岐阜県大垣市在住
昭和24年1月11日生まれ
67歳
B型

好きな歌人は、女性では与謝野晶子、男性では、島崎藤村、石川啄木です。詩や和歌や小説を書き始めて20年あまりになります。鹿鳴館を舞台にした小説を書いております。63歳にして一念発起してパソコンを始めました。ブログにも初挑戦です。

最新出版物
白浜砂夫の電子書籍




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