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短編小説・永遠の処女12

短編小説・永遠の処女12


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                                         短編小説・永遠の処女11



日曜日の午後のことである。
幸子が見舞いに来た。長い廊下をゆっくりと歩いて、病室の扉を開けてみる。
「真海、来たよ」
努めて明るく話す幸子。
「ありがとう、よく来てくれたねえ」
ベッドから降りようとする。
「座って、座って、そのままでいいから」
「うん。それじゃ」
と真海。
ちょっと元気のない声が、幸子には寂しかった。
「ねえ、北原先生や和夫さん達は元気でいる?」
「はーい、とっても元気でいます」
大袈裟なポーズを取って答える。
「よかった」
「あら、孝夫さんのことは聞かなくていいの?」
「ウフフ、いいの、いつも夢の中で会っているから」
「まあ、何て答えたらいいのかしら。夢で合いましょう。素敵なことよねえ?」
「ウーン、そうでしょ。そうねえ、恋のライバルに一本取ったかしら」
「あなたには勝てないはねえ」
幸子は、ホットした気分になった。
「卒業試験が迫っているけど、どう大丈夫?」
「ハーイ、私はバッチリです」
真海の、余裕に満ちた言葉。
「それより、孝夫さんよ。あなたに付きっ切りで、授業を休むこともあったから、私、心配だわ」
真海の顔色をうかがう幸子。
「大丈夫、大丈夫。私の強き祈りで、孝夫さんに、百点満点取らせちゃうから」
自信たっぷり話す真海。
「そんなのあり、信じられない」
「だったらその日だけ、透明人間になって、私が代わって、答案用紙みんな書いてしまうわ」
「まあ、真海だったら、百点満点取るのは、難しいことではないけれど」
後の言葉が続かない幸子。
「いいの、してあげられるのなら、しちゃいましょうよ」
「そうね、愛の力でしちゃいましょうよねえ」
と言って、ようやく笑顔を取り戻した幸子だった。

「幸子」
「何?」
真海の声色が違ってきた。
「体を捧げるってことは、いけないことなの?」
「捧げたいの」
と幸子。
「女だから」
難しい質問を、投げかけられたものだ。
「愛してしまったからじゃないの?」
「それもあるけれど、女として生まれたからには、女として終わってゆきたいの」
「私には、とても答えられないけど、相当な覚悟をしているみたいね」
真海は、首を振りながら
「ただ、愛に殉じたいだけ」
「全てを捧げた後、自殺するってことじゃないでしょうね?」
幸子はなにげなく言ってみたものの、急に心配になってきた。
「大丈夫、心配しないで、私は命を粗末にはしないから」
「そうだよねえ、そうだよねえ、真海はそんなことするはずないもののねえ」
真海はポツリとつぶやいた。
「永遠に変らぬ愛の為にどうすれば良いのかしら」
永遠に変らぬ愛を求めていく、それが真海の言う、愛に殉じたいということなのだろうか。
幸子は言った。
「私には、果てしないほど長く、愛せない」
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プロフィール

白浜 砂夫

Author:白浜 砂夫
どうも ”しらはますなお” です。

岐阜県大垣市在住
昭和24年1月11日生まれ
67歳
B型

好きな歌人は、女性では与謝野晶子、男性では、島崎藤村、石川啄木です。詩や和歌や小説を書き始めて20年あまりになります。鹿鳴館を舞台にした小説を書いております。63歳にして一念発起してパソコンを始めました。ブログにも初挑戦です。

最新出版物
白浜砂夫の電子書籍




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