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短編小説・鹿鳴館の淑女たち1

短編小説・鹿鳴館の淑女たち1

それはまるで、波動が波動を呼んで来るように、波また波の時代、明治維新を越える事が出来たエネルギーも終わりを告げていた。
明治四年から二十年頃は過去と、開国、救国との攻めぎ合いの中で、新たな繁栄を模索していた、この時代の女性像、特に文化教育に限れば、優れた理性と見識を持った女性指導者が、多々輩出したことは特記すべきであろう。
現在の女性よりも、情熱、行動力、意思の固さは大いに優れていたのである。
旧藩、やがて県へと変わって行く中で、地域の窮乏を救い、新たな繁栄を模索していたのである。
心は、救国、救民で一杯であったとするならば、ああ、乱れ髪よ、その乱れし髪もそのままに、走り回っていたと言うなら、ああ、乱れ髪もまた美しいと言わざるを得ない。

明治の維新が、攘夷派を洛中から叩き出し、勤皇派で統合し成し遂げられたとするのは歴史の通りである。
これを、朝廷側から見ると見方も変わってくる。
四親王家の内、絶大な力を持っていたのは、伏見の宮家であり、三年には、北白川の宮を創設している。
明治に新設された十二の宮家は全て伏見の宮家の分家に過ぎない。
岩倉が、和宮降下を実現できたのも、禁裏を巧みに読み取っていたと言う事であろう。
時代という大河の流れ。それはまるで『維新』など、一夜の夢物語に過ぎないと言う事でもあろう。

鹿鳴館、それは、中国最古の詩集、『詩経』から取り入れている。
孔子の編といわれ、詩三百十一編からなっている。
歌われている、鹿鳴の宴を引用したものである。
唐の時代、管吏登用試験に及第して、都に上る者を送る送別の宴。
詩経の鹿鳴の歌を歌ってもてなした古事から来ているのだ。
さて、その鹿鳴館で、日本で初めて行なわれた慈善バザー会と言えば、明治十七年春に行われた、慈善バザー会ではないだろうか。
鹿鳴館とは、日本における慈善事業発祥の地でもあるのだ。
なにしろ、洋風かぶれの伊藤博文首相が、婦人たちの手でやってみてはどうかと、提案したのである。
言い出した人が人であるから、もう騒然。
伊藤夫人も、井上馨外務卿夫人も、準備委員に加わらざるを得ないと言うものである。
さて、委員長にはと言うと、今は伯爵夫人に納まっている捨松をおいて外にないと言う事になったのである。
捨松夫人は後々『鹿鳴館の花』と歌われる様になるのである。
津田梅子も委員の一人に加えられたのである。
この鹿鳴館のバザー会は、実に派手であった。
これには、軍楽隊も駆り出され、郵便報知などで、連日報道されたのである。
また、このバザー会は、東錦絵の題材にもなったのである。
錦絵と言えば、華麗な多色刷りの、浮世絵版画である。
ちょっと目を閉じて想像してもらえれば、いかに派手で絢爛たるものであるか、理解してもらえると思うのである。
この錦絵は相当買われた様であるが、現存しているとは、聞いた事がない。
さて、バザー会はというと大盛況で、初日に三日間分の品物を売り尽くしてしまい、慌てて商品の仕入れに走り回るほどであった。
金銭を扱った事もない貴婦人たちが、自分の手で作った物を売るなど、梅子には、とても考えられない事であった。
梅子の心配は、窮に終わった。
収益の八千円は、博愛社を通して、病院事業に寄付されたのである。
初の慈善事業は、日本を代表する淑女たちによって、達成されたのである
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短編小説・鹿鳴館の淑女たち1それはまるで、波動が波動を呼んで来るように、波また波の時代、明治維新を越える事が出来たエネルギーも終わりを告げていた。明治四年から二十年頃は...

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プロフィール

白浜 砂夫

Author:白浜 砂夫
どうも ”しらはますなお” です。

岐阜県大垣市在住
昭和24年1月11日生まれ
67歳
B型

好きな歌人は、女性では与謝野晶子、男性では、島崎藤村、石川啄木です。詩や和歌や小説を書き始めて20年あまりになります。鹿鳴館を舞台にした小説を書いております。63歳にして一念発起してパソコンを始めました。ブログにも初挑戦です。

最新出版物
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