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随筆・悲しみのアリア・旅情を詠う

随筆・悲しみのアリア・旅情を詠う

我が心の故郷よ。
お前は、何処に行ってしまったのだ。
心の故郷を見失しなった者の人生は、大黒柱の無い家屋のようなもので、あまりにも頼り無げである。
詠え、悲しみのアリアを、悲しみのアリアを、人生の賛歌に乗せて。
生きるとは何んなのかを見失しなっていた、そんな時代だった。
私は、意を決めて、東北の果て、福島へと旅立った。
何の為に。
豊かさを失った福島に、せめて観光で、文学で、少しは役に立ちたかったからである。
この、ペン一本に懸けるのだ。
彼の地の良さをこの目で見、又、発見するのだ。
猪苗代町、それは、ゴーストタウンだった。
町は死んでしまったのか。
それが、延べ二日間に渡る、見学の感想だった。
車をゆっくりと走らせて、裏猪苗代へと展開してゆく。
泣くな、安達太良連山よ。
お前は男の山だろう。
男の山が泣いてどうする。
見晴らしの良い処より、やがて車は坂道をゆっくりと上って行く。
こんな所に食堂が。
私は入ってみる気になった。
「おばちゃん。ラーメン」
「ハイ、おおきに」
「どう、儲かってる?」
「まだ、あんた一人」
聞いて、絶舌しそうになった。
550円のラーメン、私一人?
そんな日が続くの?
「おばちゃん」
後の言葉が続かない。
おばちゃんは、寂しそうな笑いを見せて、
「あんた、かきたま、二つばかり油で揚げるよ。サービス。食べる?」
「うーん、大赤字なのに」
「いいんだ、いいんだ」
「ありがとう、何時か、訪ねて来る時を持てたなら」
「ああ」
流離は悲しからずや。
旅路の果てに巡り会う人々よ。
巡りあう人びとが、旅情に華をそえるのである。
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短編小説・旅情という名の詩集5

短編小説・旅情という名の詩集5


                         短編小説・旅情という名の詩集1
                         短編小説・旅情という名の詩集2
                         短編小説・旅情という名の詩集3
                         短編小説・旅情という名の詩集4


「旅人ではない、流離人ねえ、あなたが」
「そう、心が旅をする、流離ね」
と、由美子。
まるで人生に疲れ果てて、ここに辿りついたとでも言いたいのであろうか。
孝夫は、由美子の持つ心の強さからして、俄かには信じられないのである。
「ええ、恋に窶れて、愛に疲れて、旅路の果てに辿りついた町」
由美子の言葉は、決して暗いものではなかったけれど、人生の有るべき姿を求める、まるで遊子ですと言っているようでもある。

さて、二十代の終わりの島崎藤村は、長野県の小諸で、教師をしていたのである。
千曲川のスケッチは、第四詩集『落梅集』に収められている。
二人は詠う。
「暮れ行けば、浅間も見えず、歌哀し佐久の草笛、千曲川いざよふ波の、岸近き宿にのぼりつ、濁り酒、濁れる飲みて、草枕しばし慰む」(島崎藤村)
青春、サムエル・ウルマンに「青春とは人生のある期間ではなく、心の持ち方を言う」という名の詩がある。
青春は、取り戻すことのできない、生命の横溢した時代でもあるのだ。
由美子の言うところの『遊子』とは、故郷を離れた、文学と音楽と、教養ある人物が、道を尋ねて、旅をしているということだろう。
千曲川よ、由美子の美しさを浮かべて、川は流れる。

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短編小説・旅情という名の詩集4

短編小説・旅情という名の詩集4


                         短編小説・旅情という名の詩集1
                         短編小説・旅情という名の詩集2
                         短編小説・旅情という名の詩集3


流れゆく雲よりも、風よりも早きもの。
それは、心の流離というメロデーなるかな。
歌え、愛の賛歌を、平和の賛歌を。
この緑なす、世界にも、地球にも、流れゆくメロデーがあるはずだ。

とある日のこと。
北山孝夫は、長野県は、上田から長野市にかけての旅路の途上にあった。
「小諸なる古城のほとり、雲白く遊子悲しむ、緑なすはこべは萌えるず・・・」
(詩・島崎藤村 / 千曲川のスケッチより)
孝夫は詠う。
彼女も詠う。
声は共鳴して、千曲川の辺りを、まるで輝かせているようでもある。
「ここでの遊子というのは、旅人ということなんだけど」
「ええ、そんな表現が合っている様な流離いの旅路」
と、旅路の中で知り合った彼女は語る。
「君の名は」
「私は、白川由美子と言います」
「ありがとう、良い名前だね」
「良い名前。あなたは?」
「北山孝夫です。名は体を表すと言いますから」
「そう、まるで美しい人と言って下さっているようですねえ」
と、由美子。
度胸の良い言葉に、唯の流離の旅人とは思えない、人格、見識の高さに、この女性は、何者なのだろうかと、想像は膨らむばかりであった。
「どうしてあなたも旅人に」
「心が旅をしているから」
と、答えるのである。

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歌詞・愛を尋ねて

歌詞・愛を尋ねて
白浜砂夫

あなたを尋ねる、旅は終わりぬ
夢ある限り、道はできよう
そう、全ては世界の平和の為に
歌は流れる、全ては世界の平和の為に

人はこの世に、役立つ為に
生まれて来たの、生まれて来たの
あなたを尋ねる、旅は幸せ
歌(または声)に包まれ、光輝く日々があるから


平成28年11月30日・深夜作

【メッセージ】
詩人よ、歌人よ、歌え、高らかに。
永遠から永遠へと続いている生命のリズム。
その生命のダイナミックなリズムに乗せて、愛の賛歌を、平和の賛歌を。

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プロフィール

白浜 砂夫

Author:白浜 砂夫
どうも ”しらはますなお” です。

岐阜県大垣市在住
昭和24年1月11日生まれ
67歳
B型

好きな歌人は、女性では与謝野晶子、男性では、島崎藤村、石川啄木です。詩や和歌や小説を書き始めて20年あまりになります。鹿鳴館を舞台にした小説を書いております。63歳にして一念発起してパソコンを始めました。ブログにも初挑戦です。

最新出版物
白浜砂夫の電子書籍




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