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短編小説・女は強く生き抜いて華になる5

短編小説・女は強く生き抜いて華になる5


        短編小説・女は強く生き抜いて華になる1
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる2
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる3
        短編小説・女は強く生き抜いて華になる4


師匠・与謝野晶子と女弟子たち・煌めく『明星』の世界・その一

北白川教夫は知らない。
それゆえ弟子の歌小路綾子も知るはずもない。
与謝野晶子の明治の女流文学界における位置の大きさを。
晶子に始まり晶子で決まると言っても過言ではない。
煌めく『明星』の世界。
それは、晶子あっての世界なのだ。
「先生、鉄幹は、自身のことを星の王子さまではない、うーんと、星の子と言っていますが」
「うん、そうだよ。星の子だよ。その星の子・鉄幹が、やがて、周囲に白い花々を増やしていくということだな」
「先生、それが、やがて、『白藤の君』とか『白梅の君』とか、源氏名のように語られるようになった日本の女学生たちの一種の伝統となり、爆発的に広がっていったということですね」
綾子の語りたい処が、わからないわけではない。
「星と花、あるいは花鳥風月は、詩歌の世界に、最も相応しい題材ではある」
と、教夫。
綾子の成長していく姿が嬉しいのである。
綾子が帰ってから、教夫の下に来客があった。
菅原通齊。
彼とは、二十数年の付き合いである。
詩歌の結社の会合で初めて会ってから、その風貌と言い、その言わんとしている詩歌論が、余りにも個性的であり、強烈であったから、尚更のことである。
「教夫君、岡本かの子さんは、ねえ」
「岡本かの子って、彫刻家一平の妻で、世に言う宗教家だろう」
「そうだろう、俺も、そう思ってきた」
「ちがうんだな、それが、和歌を始めたのが、十二歳の早熟にして、晶子の『乱れ髪』に、強烈な刺激を受けて、晶子の弟子になったんだな」
そう言ったあと、明治の女流雑誌をみせるのである。
「俺は、てっきり、そう思い込んできたけど、晶子の『乱れ髪』に、強烈な刺激を受けて、晶子の弟子なったというのは良い。早熟というのも良いな。天才はその道において早熟なんだ」
菅原通齊が語るところは、かの子が通った跡見女学校の、所謂、英才教育と、新詩社の天才教育によって花開いたということである。
ここで、ひとつ、かの子作の和歌を紹介しておこう。
『かの子、かの子はや泣き止みて、淋しげに添い臥す雛に子守歌せよ』
この歌が、發表されたとき、自分の名を歌に詠みこむとは、何事ぞ、思い上がっている、と評した歌人があったが、我が子を愛をしむ熱情がよく出ている、かの子の傑作というべきではないだろうか。

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tag : 明治 文化 女流作家 文学 与謝野晶子 乱れ髪 岡本かの子

短編小説・女は強く生き抜いて華になる4

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        短編小説・女は強く生き抜いて華になる1
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        短編小説・女は強く生き抜いて華になる3


恋に乱れて、愛に乱れて咲く花は永遠・その二

「先生」
と、私用を終えて帰ってきた、歌の小路綾子。
「すまなかったな」
と、北白川教夫。
詩の朗読を終えた顔面は、汗で光っていた。
先生は変わらない。
与謝野晶子にある激情は、先生にもある。
それが先生をして『乱れ髪』を朗読させるのであろう。
詩人とは、歌人とは、どうしてこんなにも悲しい性を背負って生きる者なのでしょうか。
そう思わずにはいられない綾子であった。
「先生、与謝野鉄幹が、女流歌人に付けた花のあだ名、花のあだ名は、良いですね」
と、言った。
山川登美子には『白百合』。
最初の妻、滝野には『白芙蓉』。
茅野(増田)雅子には『白梅』。
中浜糸子は『白藤』。
と、語る綾子。
「でも教夫先生、花の色は白とまで言っている鉄幹先生なのに、それが晶子には、紫陽花だと言っているんですけれど、やっかみじゃないですか」
「そうなんだ、僻みなんだ。晶子の才能に対する僻みなんだ」
「才能あふるる晶子を捨てて、ヨーロッパに旅立った鉄幹」
「それでも私は、あの人が好きと言って、鉄幹の後を追って、ヨーロッパに旅立った晶子」
「解っているねえ、綾子は」
「だって、先生の弟子ですもの」
『乱れ髪』・・・明治を代表する詩歌であり、その人気は永遠性を秘めている。
教夫が尊敬する歌人の馬場あき子は、『乱れ髪』について、言葉の律(調べ})の長短に初々しい若さがあふれていた。そして、時代を隔てて今日から見る特色は、むしろ官能の奔放や、極美なイメージ構成に、驚く以上に、胸苦しいまでにたたみ重ねてくる、言葉の豊穣さにある。
そう、言葉の豊穣さも、明治を代表する詩歌人の共通項だと思えてならない。
「先生にある、晶子にもある激情と、感性の豊かさが、言葉の豊かさとなって、言葉の海に誘ってくれますね」
と、綾子。
綾子もやがて、心の海へと誘う言葉の豊さを学ぶ必要があることを悟であろう。

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tag : 与謝野晶子 乱れ髪 文学 女流作家 文化 明治

短編小説・女は強く生き抜いて華になる3

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        短編小説・女は強く生き抜いて華になる1
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恋に乱れて、愛乱れて咲く華は永遠・その一。

とある日のこと。
弟子の歌小路綾子を、私用を言いつけて送り出した後の事、思うところがあって。
明治を代表する『明星』の世界を旅していた北白川教夫。
教夫の知りたかったことは、それは何か。
明治の女流作家たちに、共通する一点を求めて、広くもない書斎を歩きまわっていたのである。
女流小説家・田村俊子といえば、鎌倉市山之内(北鎌倉)の碑面前で行なわれる田村俊子賞は有名である。
女流詩人の為に設けられたこの賞は、俊子の数奇なる生涯を伝えるにふさわしい賞である。
和歌、詩歌を通じて与謝野晶子と九条武子は親交があった。
俊子は、師匠晶子の女弟子として、よく知られた存在ではあった。
師匠晶子が常々言っていたことは、良い和歌は、恋をしなければ書けないし、恋愛が、激情が、良い和歌を作るとまで言っているのである。
その師匠の教え以上に、波乱に満ちた人生は『遊女』と言う自作の小説と、そう言われる生き様が交差して『愛に流離う旅人』として永く語り伝えられていくであろう。
晶子や俊子、それに、九条武子、山川登美子らの共通点は、明治の女流作家に共通する点は、恋愛に対しては自由奔放であったということである。
晶子こそ、その頂点である。
教夫が今、書斎で読んでいる『乱れ髪』が、語っているように思えてならない。

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tag : 明治 文化 女流作家 文学 与謝野晶子 田村俊子 九条武子 乱れ髪

歌詞・乙女の詩集

歌詞・乙女の詩集

溢れる程の涙の調べ
言葉の海に、心の花園(その)に
教えて欲しい、あなたの色は
切ない程に、狂おしいほど
乱だるる心、乙女の詩集

好きなのね、きっと、あなたのことを
空の青さと、白き花々
愛の重さに、怯えながら
心の海は、揺れて、揺らめく
涙で綴る、乙女の詩集



平成二十八年六月十七日・作
白浜砂夫

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ジャンル : 小説・文学

詩・故郷に咲く花は一つ

詩・故郷に咲く花は一つ

故郷に咲く花は、一つあればいい
愛しい人と、愛でる花よ
愛しい人と、捧げる花よ

幼き日々に、逝きし母よ
母よ、あなたが愛した花が
まるで、涙の中から浮かび上がって来るようです

語り合えば、恋ってなんですか
これは、初恋ですか、と見詰めあった二人
初恋のあの人は、今も故郷で暮らしている

おお、我が友よ
童の頃より、君は故郷に在り
歌の好きな、童らが歌う詞は、
「故郷」
心に咲いた花よ、心の中に生きている歌よ。

故郷に咲く花は、一つあればいい
亡き父や母よ、私を許してほしい
許してください
何もしてあげられなかった私
父や母の夢を、叶えてやれなかった私

愛おしき人よ、恋人よ
親しき友よ、クラスメートよ
何の力にもなってやれなかった悲しみが
愛でる花の多さに
耐えられそうにもありません

故郷に咲く花は、一つあればいい
たった一つの花なれば
涙と共に、生きて行けるでしょう



平成二十八年六月十四日・深夜・作

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プロフィール

白浜 砂夫

Author:白浜 砂夫
どうも ”しらはますなお” です。

岐阜県大垣市在住
昭和24年1月11日生まれ
67歳
B型

好きな歌人は、女性では与謝野晶子、男性では、島崎藤村、石川啄木です。詩や和歌や小説を書き始めて20年あまりになります。鹿鳴館を舞台にした小説を書いております。63歳にして一念発起してパソコンを始めました。ブログにも初挑戦です。

最新出版物
白浜砂夫の電子書籍




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