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短編小説・恋愛学入門2

短編小説・恋愛学入門2

                    短編小説・恋愛学入門1

書斎での歌太郎と緑子の会話。
「今日の歌太郎さん少し変よ」
「変て?」
「だって、黙ってばかりで、何も話しくれないから」
緑子は、心配そうに、顔色を窺う。
「御免、御免、少し考え事をしていたから」
歌太郎は、詩集の出版の事を考えていたのだ。
詩を書くようになって、何年になるだろうか。
もう、三十年にもなるだろう。
愛と別離を重ねて、詩は作られてきたのだ。
「緑子さん」
「はい、何か」
「少し、聞いてもいい」
今日の緑子は、特に色っぽかった。
赤い唇が、盛り上がった胸が、彼に迫って来るようで息苦しくもあった。
逢う瀬を重ねるたびに、緑子は、一段と美しくなって行く。
「恋愛って言うけれども、恋と愛とは違うよねえ」
「そう、恋と愛は一緒じゃないと思うわ。でも、どうしてそんな事、聞いたりして」
「うん、そうね、思い出深き、あなたの考えを聞いてみたくたねえ」
「恋って、何て言うか、そう、淡きものなの。そよ風が頬を撫でるような。なまめかしさあるのよ」
そう言ってから、一人頷いている緑子。
「じゃ、愛はどうかな」
「濃いもの、深きものなの。それでいて、何故か重たくもある」
歌太郎は、頷きながらも、続けて問いかける。
「愛には、憎しみが伴うと思うけれども」
「そうよ、愛は永遠への扉を開く、生命のダイナミックなリズムに乗って、永久に生き続けることもあるわ」
緑子は、微笑みながら答えた。
歌太郎も、微笑みを返した。
「でも、変な人ね、歌太郎さんて。どうしてそんなことを聞くの」
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

短編小説・恋愛学入門1(新連載)

短編小説・恋愛学入門1(新連載)

藤原歌太郎が、詩集を求めて神田神保町の古本屋街に来たのは一週間前の事である。
そう、狂おしい程美しく激しい程に燃え上がる激情。
それを与えてくれる詩と詩集が欲しいのだ。
歌太郎は、叶うものなら初版本を手に入れたいと願っていた。
しかし、それは不可能に近いと言ってもいいだろう。
詩の一つ一つに秘められた恋と愛のドラマに、胸を締め付けられて来たのである。
作家、詩歌人としての二十五年は、その歴史の積み重ねでしかないのだ。
彼は、島崎藤村の詩集と、高村光太郎の智恵子抄を手に入れたのである。
他には、国語辞典も買っている。
吉永緑子が、彼の書斎に来たのは、それから一週間後の事である。
緑子とは、二十年来の付き合いになる。

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短編小説・OLは花盛り6(了)

短編小説・OLは花盛り6(了)

                    短編小説・OLは花盛り1

                    短編小説・OLは花盛り2

                    短編小説・OLは花盛り3

                    短編小説・OLは花盛り4

                    短編小説・OLは花盛り5

ギフ・未来に希望自動車(株)編

流れ行く日々の中で、花よりもなを美しく咲く花があるとすれば、それは、貴女だ。
職場で活躍する貴女だ。
人は、それを、『この世の華』と言う。
咲き誇れ、飛騨、奥美濃に咲く、そばの花よ、リンドウの花よ、白百合の花よ。
とある日の事、
「林君、君に頼みがある。松本重役美子を乗せて名古屋へ行ってもらいたい」
と、社長は語気を強めて言う。
「社長、名古屋進出」
と、幸男。
「それもあるが、新たな部門と言う事も」
と、社長。
何か秘策がありそうだ。
幸男が松本美子重役を乗せて、岐阜の本社を出たのはそれからのことだ。
「美子さん久しぶりです。いや。いけない、松本重役」
「いいんですよ、私には」
松本美子さんとは、彼女が、恵那思い出は美し過ぎて営業所にいた頃からだ。
恵那思い出は美し過ぎて営業所は、一番の販売成績を上げた。
彼女は、カローラを売りまくった。
実力で、営業所長にまでなった人だ。
中津川は美しい、恵那は美しい。
何が美しかって、美しい心と、美しい思い出を持ってる人が一杯いる町だからだ。
恵那には、恵那狭と言う観光地がある。
美しいと言うよりは、秋色の景観の中で、憂愁と慕情が、糸を編むように美しい思い出となって、何時までも生き続けている。
それが、恵那峡なのだ。
幸男が青年の頃、あの人が乙女の頃の思い出。
二人は、澄んだ水面の中で、ボートを漕いでいた。
少し休めた手で、恥じらいながら、手を握る幸男。
あの人も、恥じらいながら、幸男の手を探した。
「恥じらいながら、それでも、それでも、恋した人の手を握りたかった。」
と、松本美子さん。
「え、同じ思い出を持っているのか」
と、幸男。
それからは、よく話ができる人だった。
年はひと回り下だけど、頭の切れる人だと思って来た。
「乙女の恋は、純情なのよ」
「青年の恋も純情なのだ」
と、車中での会話は続く。
さようなら、奥飛騨の華よ、奥美濃の華よ、中津川、恵那の華よ、花よ。
ありがとう、良き日々を与えてくれた貴女達。
幸男は、この会社を去って行くけれども、松本美子重役の活躍が、美しい思い出にしてくれるだろう。





(了)

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歌詞・恋する心に変わりはないの

歌詞・恋する心に変わりはないの

どうして、どうして、どうしてなのよ
恋する心に変わりはないわ
ああ、あの人が、あの人が
涙ぐむほど、好きだから
国と国との垣根を超えて
私は行くの、愛する人の待つ国へ

幸せなのよ、愛したことが
幸せなのね、愛されたこと
ああ、この広い世界で
巡り会うことさえ、不思議なくらい
満たされている、愛の深さよ

ああ、あの人が、あの人が
叫びたいほど、好きだから
国と国との垣根を超えて
私は行くの、愛する人の待つ国へ

ラ・・・ラ・・・ラ・・・
ラ・・・ラ・・・ラ・・・

愛の深さに満たされながら
愛の重さに怯える私

ラ・・・ラ・・・ラ・・・
ラ・・・ラ・・・ラ・・・

愛の深さに満たされながら
愛の重さに怯える私




平成二十七年九月六日朝作

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短編小説・OLは花盛り5

短編小説・OLは花盛り5

                    短編小説・OLは花盛り1

                    短編小説・OLは花盛り2

                    短編小説・OLは花盛り3

                    短編小説・OLは花盛り4

ギフ・未来に希望自動車(株)編

幸男は、車のエンジンのスイッチを入れた。
華子さんから受取書を頂いた。
また会う日までの言葉もそこそこに、別れを告げる。
華子さんは、必死に手を振っていた。
それは、走りだしたミラーからもよく見えた。
さあ行こう、郡上いつでも夢を営業所へ。
秘たる恋と愛が、まるで慕情となって、幾度となく訪れたくなる町、それが郡上八幡の町なのだ。
奥飛騨から、せせらぎ街道を通って、郡上八幡に向かう。
少し遠回りかもしれない。
それでも、幸男は、せせらぎ街道を利用した。
街道に沿って流れる清き美しい水、その流れを見て走るのがいいのだ。
幸男は、愛と別離を重ねて生きて来たような男だ。
溢れ来る涙を、せせらぎ街道の清き美しい水で流したことは、二度や三度の事ではない。
郡上いつでも夢を営業所では、橋本良子さんと吉永小百合さんが迎えてくれた。
良子さんは地元の高校を出て、小百合さんは東京の大学を出て、母緑子さんの待つこの町に帰ってきた。
美し過ぎると言うよりは、可愛らしさと、優しさと、純情をかきたてる、そんな二人なのだ。
幸男は、小百合さんに会う度に胸が痛む。
勿論、母緑子さんとのロマンスがあるからだ。
美しい十代。
同じ高校で机を並べて学んだ仲なのだ。
それも又、隣の席で、緑子さんが作って来てくれたおにぎりを、顔を見合わせて食した仲なのだ。
勿論、良く勉強もした。
先生はと言えば、早稲田大学の大学院を出た先生だ。
地方で、大学院を出た先生というのも珍しい。
先生は人気者だ。
女子生徒は、いつも先生を取り囲んでいた。
勿論、幸男も大好きだった。
その緑子さんより美しいのが、小百合さんなのだ。
若き二人に、地元の繁栄を願う熱き思いが消えない限り、いつでも夢を営業所は続くだろう。
春の郡上は良い景色だ。
夏の郡上もいい。
郡上八幡の盆踊り、徹夜踊りに紛れて会った幸男と緑子。
やがて二人は、踊りの列を抜けて、八幡城址に向かった。
古城豊かな、誰もいない城址で、幸男は緑子を抱きしめた。
さようなら、ロマンスよ、美しい十代よ。
純愛だって優しく包み込んでくれる、それが八幡の城址なのだ。
さあ行こう、車を駈って、秋の郡上へ、冬の郡上も良いものだ。
姫たる恋と愛が慕情となって、恋する心を教えてくれる町へ。

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プロフィール

白浜 砂夫

Author:白浜 砂夫
どうも ”しらはますなお” です。

岐阜県大垣市在住
昭和24年1月11日生まれ
67歳
B型

好きな歌人は、女性では与謝野晶子、男性では、島崎藤村、石川啄木です。詩や和歌や小説を書き始めて20年あまりになります。鹿鳴館を舞台にした小説を書いております。63歳にして一念発起してパソコンを始めました。ブログにも初挑戦です。

最新出版物
白浜砂夫の電子書籍




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