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短編小説・女相場師・五条愛子3

短編小説・女相場師・五条愛子3

                                   短編小説・女相場師・五条愛子1

                                   短編小説・女相場師・五条愛子2

   
激動する日本の経済。
戦後の日本の経済は、世界の経済から翻弄されてきた。もてあそばれて来た。
まるで父親や母親の、アメリカやソビエトの子供のように。
とある大衆食堂の片隅、食堂は賑わっていた。
ガチャ万景気に沸く、一宮地方の繊維業界。
日本の産業を牽引する時代もあったのである。
「俺の子供がねえ、お父さんの後を継ぐって言ってくれたんだ」
と、小工場の社長。
「そう、ちゃっかりしているねえ、お前の子供は」
と、元受工場の北山社長。
「俺の子供だからか」
「お前に似て、抜け目がない」
と、北山社長。どうも、値上げ交渉のようである
北山社長は、牽引する。
この地方の経済を繁栄させる為に。
中小企業の社長さんは元気があった。
中京地方の尾張の国、美濃の国を包み込む濃尾平野。
平野は米や野菜の一大産地である。一流の相場師は、地方の歴史や文化、経済にも精通しているようである
今は、女相場師となった五条愛子、愛子あなたの主戦場は中京だ。あなたの活躍を待っている。
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短編小説・女相場師・五条愛子2

短編小説・女相場師・五条愛子2

                                   短編小説・女相場師・五条愛子1

   
(アジアの中のスイス)日本は死んだのか?
名古屋市、熱田区の堀川に架かる五条橋、白鳥橋のような大きな橋ではないが、名こそ惜しめと、厳として存在していた。
愛子の生家はその近くにあったのである。
美濃路、所謂、関が原宿、垂井宿、大垣宿、を経て、清洲宿、宮(熱田)宿へと続いていく。江戸時代には、朝鮮通信使も通ったのである。
歴史は語らないけれども、過去と未来を架ける橋でもある。
戦国乱世の如く、あるものは成果を得、静かに去り、あるものは、うたかたのアワのように消えていった。
売りの金富士紡、玉ネギダラー、岐阜ダラー、大垣ダラー、等々、相場師たちが活躍したのも、この地方ならでのことである。。
大川証券は、この繊維の街、一宮市の一角にあった。
一宮といえば、七夕祭りで有名である。
五条愛子の愛は、七夕祭りのようなものなのか、純愛のようなものなのか、不倫の愛なのか、激情の愛なのか、それは後々のこととしておこう。
一宮市郊外の、越(おこし)に近い、とある喫茶店、一宮はモー二ングサービス、発祥の地である。
二人の相場師の会話。
相場師は時代を読む、時代の先までも読める相場師もいる。そうでなければ、株式市場で勝つことはできない。
「芦田首相がめざしたものは」
「それは、オーストラリアであろう。欧州の永世中立国であろう」
「同じ、ドイツ、イタリアの敗戦国でありながら」
「人は、自らの生きる道を探るように、国もまた、国家として生きていく道を探し続けていくものなのかもしれない」
「風説に聞く、東洋のスイスと語る、芦田首相のめざしたものはオーストラリア」
「まずな」
「では、東洋のスイス」
「違う、再軍備だ」
「え、どうして」
「株式市場と同じだ」
「逆に動くと言うことですね」
「そうだ、君も相場師らしくなってきたねえ」
「有り難うございます、今日のコーヒーはおいしい」

散文詩・愛と憎しみと悲しみを越えて

散文詩・愛と憎しみと悲しみを越えて

愛(自己愛)と、憎しみと、悲しみを越えて。
お前たちよ、飛び立て。
過去に囚われ、自己の、弱気心に負けて、得られるものなど何もないはずだ。
多くの憎しみを、希望に代えて。

悲しみを、情熱に代えて、さあ、未来に向かって飛び立とう。
希望を勇気に変えて、情熱を行動に代えて、さあ、未来に向かって飛び立とう。
自己の、小さな心に囚われて、得られるものなど何もない。
自身がかわらなければ、人は代えてくれない。
大きく変革していく、お前たちの姿に。
憎しみも、悲しみも、顔色失って去っていくだろう。

其処に待っているのは、大きく開けいく世界という名の、視界なのだ。
愛(自己愛)と、憎しみと、悲しみを越えて。

お前達よ、飛びたて。
未来が、成功の二文字を連れて来るだろう。



平成二十六年十月二十四日・作

短編小説・美しき魔性の女、最終編(二)

短編小説・美しき魔性の女、最終編(二)

                                   短編小説・美しき魔性の女、最終編(一)

   
美しき魔性の女達よ、それは誰か。
それは深窓の麗人、貴女達は、誰も入れない高貴なる一室にある深窓から、何を求め、何を見通し、何を訪ねようとしているのか?
安田万理子、貴女は安田財閥(コンツエル)の末裔、何の為に戦うのか。
万理子が学生時代に、幼稚園教員の免許を取り、結婚、やがて、波乱のうちに離婚と移ってゆく。
一庶民として、一庶民の心を友として、名もない都会の保育所で、保母として活躍したと言う事実に、万理子の思想と、人間哲学を見るのである。
万理子は、幼い子供達から、何を見、何を学び、何を覚知したのか。
語ってくれる日がくるかもしれない。
美しき魔性の女、それは貴女だ。
大学の構内に流れる、学生達が合奏する妙なる調べ。
音楽に国境はない。
そして音楽の調べは、人の心を移す鏡のようである。
万理子達が、活躍する時代は近いと、そう歌っているようでもある。

それから、少し時は流れて・・・。
ピアノ、あなたはピアノ。
永遠から永遠へと続く、生命のリズムの中で、魂も又、永遠から永遠へ、さらに永遠へと、旅をするのでしょうか。
安田万理子、万理子はピアノをたたき、そして歌う。
「愛、愛すれば、心は流離う、愛、愛すれば、あなたを求め、あなたを訪ね、あなたのいない夜に泣く」
万理子は、大学の構内にいた。誰もいない一室で、ただただ、ピアノをたたいていた。
ベートーベンよ、チャイコフスキーよ、あなた達は、何を求め、何を訪ね、何を覚知するために、ビアノをたたき続けたのか。万理子の思索は続く。
万理子の目から溢れ出る涙。ピアノよ、万理子を泣かせないで、万理子を泣かせないで。
歌も又、旅人、人生の讃歌、愛の讃歌、魂の讃歌を高らかに歌いあげる為に、旅をする。
一月二十二日、理事長選出、選挙。
花は、シンピジウム、花言葉は、深窓の麗人。
音楽文化の発展の為に、万理子は戦い続ける。

短編小説・女相場師・五条愛子

短編小説・女相場師・五条愛子

愛と憎しみを越えて、女相場師は誕生した。
(その一)アジアの中のスイスは、死んだのか?
時代の流れは、余りにもはやく、激動は激動を呼び、静寂を知らない。
朝鮮動乱の発生から、二年後、この二年間の間に、
軍備を棄てた(アジアの中のスイス)日本は、再軍備必死の態勢を、いつしかふみ固めてしまっていた。動乱から三ヶ月後、改進党のトップ、前首相、芦田均氏は、国会で、吉田首相と再軍備論争を行った。ここに日本の再軍備論のスタートをきったのである。
「株式市場は、如何動きますかねえ」
「うーん、相場も政治の動きを避けて通れない」
地場証券、大川証券にたむろする、二人の客。大川証券は、大川裕一郎が一代で築きあげた会社である。
場立ちの、手の動きが多すぎる、ふと立ち寄った、五条愛子。愛子は呟く
「相場は動きだしたのだ」
場立ちに聞えたのか、
「買い場だね、ここは」
と、五条愛子にウインクする。株を買えと言っているのと同じだ。
相場師は、激動を好む、一般の客とは違う。激しい上下の動きの中に、巨万の富への道があることを知り尽くしているからだ。
五条愛子に、何があったのか、何故この街に来たのか、誰も知らない。
ここに、愛と憎しみを越えて、女相場師は誕生した。

短編小説・美しき魔性の女、最終編(一)

短編小説・美しき魔性の女、最終編(一)

魔性の女、それは、安田万理子。
貴女は、どうしてこんなにも、男性をひきつけて止まないのか。
万理子は、女性の特質、自分自身を責めても、男を許せる、そんな女なのだ。
それは、なにを意味しているかといえば、そんな女に、安心感と安らぎを覚えるのである。九条喜一郎は。淡々と語るのである。
「それを、女の武器として、奪首するのだ」
「女の武器・・・奪首・・・まさか、理事長の椅子を」
「そうだ、理事長の椅子だ」
「う^ん、いいのですか」
「いいんだ。後ろだてには、彼がなってくれるだろう。彼との会談は、大成功だったと聞いている」
「ハイ、打ってでた私に、芽が出てきたということですねえ」
「そうだ、求めていかない限り、打って出ていかない限り、勝利は得られないのだ」
「そうですわ、ねえ」
所は、上諏訪の小さなホテル。数々の愛と、憎しみと、別離をつつんで、(哀愁の湖、諏訪湖)は、今宵も歌っていた。
プロフィール

白浜 砂夫

Author:白浜 砂夫
どうも ”しらはますなお” です。

岐阜県大垣市在住
昭和24年1月11日生まれ
67歳
B型

好きな歌人は、女性では与謝野晶子、男性では、島崎藤村、石川啄木です。詩や和歌や小説を書き始めて20年あまりになります。鹿鳴館を舞台にした小説を書いております。63歳にして一念発起してパソコンを始めました。ブログにも初挑戦です。

最新出版物
白浜砂夫の電子書籍




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