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短編小説・美しき魔性の女5

短編小説・美しき魔性の女5



                              短編小説・美しき魔性の女1

 
                              短編小説・美しき魔性の女2

 
                              短編小説・美しき魔性の女3

 
                              短編小説・美しき魔性の女4




九条喜一郎の遥かなる旅路は続くのか。
遥かなる、旅路よ。それ自体が詩歌の世界なのか。何の為にといえば、生きていることの、喜びの為に、生きていること自体が、こんなにも素晴らしいのだと、そう、語ってあげるために。
喜一郎の旅路に終わりはない。
安田万理子の名東病院での、入院生活は二ヶ月に及んだのである。長い闘病生活は、いかに重病であったかを語っているようである。
喜一郎と、万理子が、退院の日に、喫茶店にはいったことは、既に述べておいたが、それまでの経緯を書いておきたい。
「九条さん、喜一郎さん。私、明日退院します」
と、電話での声。五度目のお見舞いのあと、三日目のことである。
「退院それは、良かった。元気になって何よりだね」
「ええ、喜一郎さん、有り難う。お世話になりました」
万理子の声は弾んでいた。一つ一つの山を越えて、人は成長し、強かにもなろうということである。それは、この世の中は、何も絶望する事などない、何とかなるということを知ったからである。
「えーと、万理子さん。迎えにいってあげるよ。行くまで待っていて」
「そう、迎えにきてくれるの、うれしいわ」
内心は、期待していたのである。
「そうだ、城南町に、コーヒーとサンドイッチの凄く美味しい喫茶店があってねえ、そこにいこうよ」
「まあ、ご馳走になりますわ。でも、どうして、その喫茶店」
「まあ、それは、店に入ってから話すよ」
「そうねえ、じゃあ、待っています」
喜一郎と、万理子の二人が、喫茶店に入ったのは、病院をでてすぐのことだった。
「万里子さんなににします?」
「喜一郎さんと同じものでいいですわ」
「じゃ、コーヒー、ホットね、トーストに、えーと、卵ついているねえ、別メニーでサンドイッチを」
と、立て続けに言ったあと、ウインクする喜一郎であった。
「万里子さんは、若かりし頃は、保育園の先生をしていたそうですねえ」
「まあ、あの御婆さんからきいたのね」
「そうだよ、歌にものすごく味があって、上手いだけでわない、心が篭もっていた、と言っていたよ」
「あら、そう、でも昔、言わなかったかなあ」
「聞いたことなかったよ、良い保育園の先生だったなんてことは」
「捨てられる女のじぁれごとですよ」
「別離ねえ、男に捨てられる女と、別れたいけれど男を傷つけない為に、捨てられるように、捨てられるように、仕向けていく女もいるから、鵜呑みにはできない」
「あら、喜一郎さんは、馬鹿な男でねえとか、詰らんやつでねえ、御免なと言うの、あれ、別れたいときに使うセリフなの」
「まあね、愛と別離には色々あってね、下にでたほうが収まりやすい」
「でも私は、御免、御免、お呼びじゃないわねえ」
「良かった、明るくなったね。ここのサンドイッチ美味しいでしょう。ママさんの自慢なんだ。コーヒーの味もいい」
「そうね、おいしい、とても」
万理子の皿が空になってゆく。
「でも、日本も可笑しな国だね。幼稚園は文部省の管轄で、保育園は厚生省の管轄だなんて、同じ教育行政なのにね」
「幼保一体が良いのよ、そう思わない」
と、万理子。その万理子の面影に浮かぶ男の正体は。

旅、遥かなる旅路。
九条喜一郎、遥かなる旅路を行く。それは愛の旅路、師弟と歩く旅路、親子で歩む旅路。詩歌を歌い、詩歌を作るために、喜一郎の、遥かなる旅路は続くのである。
何の為に、といえば、生きていることの、喜びのために。生きていること自体が素晴らしいと、そう言ってあげるために、喜一郎の、宿命を越えた、人、讃歌の旅路は、続くのである。
安田万里子と、再会して二週間も過ぎた日のこと、喜一郎の書斎での、お客との会話は弾んでいた。
「九条さんは、DNAで書かれる詩歌人と思うのですが」
と、友人の日野湖水は語る。
「DAN,遺伝子ねえ。DANで書いていることも、多々ありますが、それだけでは、庶民の心を掴むことはできないでしょう」
と、喜一郎。湖水君になんて語ればいいのだろうか、思案に苦しむのである。
この地には、日野太一郎と言う、ある詩歌の結社のリーターかいた。彼、日野太一郎は県政界の裏の実力者。所謂二つの顔を持つ男。この男を通す、決まり、逆らうと後は無い。力お身近に見てきた喜一郎である。
ふとした縁で知り合ったが、はるかに年長でありながら友人の様に処遇してくれたのが忘れられない。その太一郎の子息、湖水君が来てくれたのである。
「月日の経つのは早いもんですねえ」
と、喜一郎。
「そうですねえ、父が亡くなってから」
と、湖水君。言葉に詰まったのであろう。しばし間が空いた。
喜一郎と湖水君の会話は弾み、しばらく続いたのである。
喜一郎は詩歌人として生きてきたし、詩歌人として一生を終えるつもりでいる。湖水君、君は立つのか
湖水君が帰ったあと、一人窓越しから空を見上げている喜一郎。
「万里子は安田という姓だったな、まさか、旧安田財閥の末裔ってことはないだろうな」と、呟いていた。万里子不思議な女である。
「果たして、何者なんだろう、そこにあるのは愛なのか、復讐なのか、相手は」
と、呟く声は風のせいだけではないだろう。喜一郎に、掠れた声は似合わない。
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詩・強き者、君の名は何者

詩・強き者、君の名は何者

母よ、貴女は、何と強き者よ
其れは、女の強さなのか
母となる日から作られた強さなのか
愛しいわ児、守り祖起てる為に
作られてゆく、強さなのか

君ありてこその、この世界
世界は、貴女の活躍と、愛により
広く、繁栄と幸福、もたらす時は来た
君の聡明さと、深々の愛は
世界を救う、夜明けは近い
プロフィール

白浜 砂夫

Author:白浜 砂夫
どうも ”しらはますなお” です。

岐阜県大垣市在住
昭和24年1月11日生まれ
67歳
B型

好きな歌人は、女性では与謝野晶子、男性では、島崎藤村、石川啄木です。詩や和歌や小説を書き始めて20年あまりになります。鹿鳴館を舞台にした小説を書いております。63歳にして一念発起してパソコンを始めました。ブログにも初挑戦です。

最新出版物
白浜砂夫の電子書籍




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