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短編小説・君に心は届いたか4

短編小説・君に心は届いたか4



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                              短編小説・君に心は届いたか2


                              短編小説・君に心は届いたか3



その要因として、若手の俳優の活躍を挙げている。
次から次へと主役や大役に抜擢され、見事にその本領を発揮しているからだと言うのである。又、あの若手俳優の、大衆を惹きつけてやまない、比類なき演劇人としての素質を、
丁寧に解説するのである。真理子自らが、テレビドラマで見た、カリスマ性を秘めた魅力が、出演する映画作品を、奥深いものにしているというのである。
真理子は映画界に通じているようだ。
さてと、孝夫は思案を回らすのである。やがて、ラジオの世界でも同じ現象が起こるかもしれない。リスナーはきっと求めているはずだ。いや、大衆も求めているはずだ。
声、声楽の世界にも、カリスマ性を秘めた大スターの出現を、待望しているのでははないだろうか。今の、若手の中から誕生するのであれば、それは、真理子に違いないと思う孝夫である。
日々の暮らしは、孝夫を追い詰めていった。
先の見えない人生ほど苦しいものはない。孝夫は、経済的にも、精神的にも行き詰っていた。しかし、人生とはそう見捨てたものではない。諦めてはいけないのである。
死中に活を求めるように、その人にしか出来ない起死回生の策が、必ずあるはずなのだ。
人の世が何故面白いかというと、奇跡は、この策を発見することと、時や偶然に恵まれて起こることが、多々あるからである。何と素晴らしき哉、人の世は、と言わざるを得ないのである。
麻生の幸子さんといえば、孝夫の店の良きお客さまである。
自転車でなら十五分のところ、軽自動車なら五分のところに自宅があった。
幸子さんは、隣接する市の中心部で、着物の着付け教室を開いている。
華道や茶道に関する本など、よく買って下さっているのである。何でも若い頃は、東京の、杉野ドレスメーカー女学院で学んだとのことである。
「お弟子さんにも恵まれて」
と、孝夫。
「ええ、本当に有り難いことですわ」
と、幸子は答え。
「よく、勉強なさってらっしゃる方は、矢張り違いますねえ」
と、孝夫は和やかに言うのである。
「おかげ様で、精進させていただいております」
と、丁寧に言う幸子。学徳を積まれた人には叶わないと思う孝夫であった。
梅雨といえば暦では、六月十一、十二日頃が入梅。
その日から、一ヶ月前後のじめじめした日々を梅雨という。
こんな季節は尚更、真理子の美しく、清しげな音声が、楽しくなってくるのである。
「リスナーの皆様こんにちは、お元気ですか。今日は、紫陽花の花について、語ってみたいと思います。さて、紫陽花の美しさは何処にあるのでしようか。
それはきっと、雨に打たれても耐えしのんで、健気にも咲き誇る、あの一途さと、優美さにあると思う私なのです。この花を見るたびに私はまるで、リスナーの皆様に似た花でしたねえ、と偲ばれてならないのです」
真理子の音声は、淡々と流れてゆく。孝夫は、ラジオに向かって呟いていた。
「真理、お前はどんな花なのでしょうか?」
この言葉は、届くことはなかった。
そして、金曜日の午後のことであった。
金曜日は、活躍する機会の多い真理子であった。
「皆様の、リクエスト曲をお待ちしています」
と、真理子。
「リクエスト曲をねえ、それも良いかもしれない」
と、囁く孝夫。ふと、思案していたことを、実行してみようと決めたのである。
リクエスト曲に添える、僅かばかりの文章。その、僅かばかりの文章に賭けたものとは、
いったい、何だったのであろうか。
この物語は、本当はここから展開して行かなければいけなかったと言うべきであろう。
孝夫が、妻の晶子と別れてから、何年になるだろうか。
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短編小説・君に心は届いたか3

短編小説・君に心は届いたか3



                              短編小説・君に心は届いたか1


                              短編小説・君に心は届いたか2



やがて季節は、初春から、立春へと移っていく。
この季節の花といえば、マーガレットではないだろうか。春を告げる鉢花。
原産地は、大西洋の彼方に見えるカナリア諸島。フランス人は、マーガレットが大好きである。恋占いの花としても愛用されてきたのである。パリの女性達は、
「愛しているわ。少し愛しているわ。とっても愛しているわ。いいえ、全然愛してないわ」
と、囁きながら、花片を切り取ってゆくのである。
孝夫は、恋占いにはよく似合う、白の一重咲きの花を買って来たのである。
如何してかって、それは、花屋の娘が、
「このマーガレットの花がいいから」
と、薦めただけのことである。花屋の娘が孝夫に恋している?
そんなことは信じたくない。信じられない。娘も年頃だから、きっと、恋占いをしているのだと思いたいのである。
冬を越せば春が来る。
やがて、春が来ると花が咲く。花が咲き誇る頃になると、孝夫の近くの商店街にも、人の流れも多くなるのである。
さて、春も盛りともなってくると、甘木真理子の人気は、緩やかな上昇カーブを画いてくるのである。
大久保孝夫の許に、風の便りを運んで来たのも、この頃であった。
風の便りによると、息子の博夫が、時々近所まできているということである。
学校帰りの、自転車に乗っている姿は、博夫であると言うのである。
こんな時は、別れた妻を恨んでみたくなるものだけど、それだけは言葉にだすまいと、口をつぐんだ。言葉に出して誰かに八つ当たりすれば、一番悲しむのはきっと、博夫に違いないと思うのである。
三月三日は桃の節句である。(午後はいつでも、ハッピータイム)は、淡々と予定が消化されていった。
今日はお客様が来ているという。作家の大原一郎だった。
彼、大原一郎は、切れ味鋭い評論家としても、名声をほしいままにしていたのである。
パーソナリティの原田太郎は、大原一郎の人となりを語っていた。
実に流暢な説明ぶりは、流石にその道のプロであると感心せずにはいられなかった。
孝夫も聞いていて、安心感を覚えたのである。
孝夫は、大原一郎の小説を、一度も読んだことがない。彼にはまったく興味がなかったけれど、今日は何となく聞く気になっていた。それは、原田太郎と一緒になって、聞き役に回っている真理子のことが、とても気になっていたからだ。
ひょっとしたら孝夫は、原田太郎にやきもちをやいているのかもしれない。いや、そんなことはないと、心の内では葛藤していたのかもしれない。
流れる日々は、恐ろしい程早いものである。
それを、冷静に感じとれる孝夫は、まだ、心に少しばかりの余裕があったのであろうか。
ラジオのスイッチを入れるのである。
何時ものように、真理子が登場する。今日の真理子は、映画界の実情を語るのである。
最近、邦画が面白いと言う。

短編小説・君に心は届いたか2

短編小説・君に心は届いたか2



                              短編小説・君に心は届いたか1



真理子は、声の魔術師なのだろうか?
それとも、こんなことも考えられるのである。
音楽の演奏では、一人の楽器の音が、1オクターブの1,200分の1に当たる1セントでもずれると、全体が濁って聞えてしまうという。これは、聖教新聞の、名字の言に書かれていたことである。
大久保孝夫は、最近、音楽の世界の奥深さに、心振るわすような、惹きつけられる、そんな境涯になっていた。科学の世界は、ある意味では、ミクロン単位の世界と、常々思ってきた孝夫。音楽世界もまた、ある意味では、ミクロン単位の世界なのかと、音楽の奥深さに、ウーンと頷いてしまうのである。
声、声楽の世界も、調和と、ミクロン単位で論ずる世界なのだろうか、孝夫は、またまた、ウーンと頷いてしまうのである。
孝夫は、どんな思いで真理子と向き合っていくのであろうか
孝夫には、一人息子がいた。博夫という。
別れた妻と生活していた。もう幾つになっているのだろうか。
身長は伸びたであろうか。一緒に住んでいないと、年齢さえも判らなくなってしまう。
今頃は如何しているのであろうか。学校は休まずに行っているだろうか。しっかりと勉強しているだろうか。友達はたくさんできたであろうか。食事は好き嫌いなく食べているだろうか。思うことは、一杯溢れてくるけれども、孝夫には、知るすべもなかったのである。
そして日々は流れて、日差しの暖かい晩秋の中旬。
ホワイトブルーの空を見詰める、土曜日の午後であった。
孝夫は書棚から、一冊の単行本を取り出していた。
こんなに静かで人影も無い時は、読書でもと思ったのであろう。
まず最初に、机に本を置いた。そして椅子に腰掛けたのである。
書棚から、どんどん消えていく日本の古典や古文の本。それらは、大冊、大巻である。
時代は、単行本が主流となってきたのである。
それは、今の時代の若者が、テレビやデイブイデイや、漫画など、より写実的な文化を好む傾向があり、更に進んで、今や世代間を越えた、ライフスタイルと成ってきたのである。
やがて、年が改まって新春となる。
孝夫は、
「私にも、人生の春よ、来ておくれ」
と、祈らずにはいられなかったのである。
その頃、甘木真理子は、サッカー、Jリーグの応援団に、駆り出されていたのである。

短編小説・君に心は届いたか1

短編小説・君に心は届いたか1


大久保孝夫は、机に座ってペンを走らせていた。
思考するに、古の万葉の時代に遡れば、大和の国はいかなる国ぞ。
(和)とは、平和なり、(大和)とは、(平和の王国)の別称なるかな。
(大和の言の葉)は、美しき文字と、清らかで静まりしむ音声の世界なるかな。
孝夫の小説は、この文章から始まっている。
この日は土砂降りの雨だった。
窓越しからは、近くの小瀬川が、見る見るうちに水嵩を増していくのがよく見える。
季節外れの大雨は、さすがに孝夫の心を重たくした。
午後零時、何時ものように、ラジオの番組にスイッチを入れた。
ラジオといえば、NHKと岐阜ラジオを聴いている孝夫だった。手持ちできる旧式の携帯ラジオは、彼の強い味方であった。
最近よく聞くようになった、午後零時五分から始まる、・午後はいつでもハッピータイム・を聞くためである。毎週月曜日から金曜日までの五日間続くのである。
それが、孝夫の日課になりつつあったのである。
水曜日の午後は、お客の少ない孝夫の古物骨董屋さん。彼は小さな店を経営していたのである。甘木真理子は、この番組の、主に、・あなた選ぶ歌謡曲・のコーナーを担当していた。
今日の孝夫の心は、不思議な世界にあった。
それは、何ともいえないフワーッとする優しさと、温かさに包まれて、穏やかな気分になったのである。何時も聴き慣れている真理子の声なのに、今日は何か新しいものを発見したような感触であった。
それは真理子の、声の魅力、清らかで静まりしむる音声にあると、そう確信できるようになるには、しばしの月日を要するのである。

歌詞・白浜砂夫の午後のカフェテラス

歌詞・白浜砂夫の午後のカフェテラス

あなたこのこと、忘れられずに
この店に来た、
午後のカフェテラス
あなたの好きな、ミルクティ
私も今、飲んでます

何時か二人で、旅に出ようと
語り合った、長い時間
パリの空に、シャンソン流れ
ピアフの心を、知ろうよ

私の好きな、レモンティ
何故かあなたは、嫌いでしたね
澄んだ瞳が、嘘の言葉を
見抜ていたから

たとえ約束、守れなくても
二人だけの、夢がほしいの
パリの空に、シャンソン流れ
ピアフの心を、知ろうよ

歌詞・面影の女(ひと)

歌詞・面影の女(ひと)

(1)
好きで別れた、女(ひと)だから
忘れることが、できないよ
そっと触れてた、白い手も
口づけ交わす、唇も
面影、面影、ああ・・・面影の女(ひと)

(2)
一緒になれぬ、恋だから
悲しいくらい、燃えてたね
涙で濡れた、目頭で
俺の背中を、抱いた女(ひと)
面影、面影、ああ・・・面影の女(ひと)

(3)
何処か遠くに、君が行き
何時しか時代(とき)は、流れても
別れた頃の、君だけが
瞼の奥に、甦る
面影、面影、ああ・・・面影の女(ひと)

歌詞・悲恋

歌詞・悲恋

(1)
美しい、あの女(ひと)よ
夢にまで、見る女よ
求めても、得られない、恋ならば
何で未来(あした)が、欲しかろう

(2)
優しさも、あの女(ひと)よ
輝きて、濡れる目よ
過ぎ去りし、思い出が、何時までも
俺の心を、泣かす女(ひと)

(3)
散り行くは、美しい
花ならば、君ならば
悔いのない、人生と、あきらめて
恋に別れを、告げようか
ああ・・・ああ・・・

歌詞・演歌舞

歌詞・演歌舞

(1)
恋に生きれば、芸が泣く
芸に生きれば、未練が残る
歌謡舞踊に、命を掛けた
舞が主人の、妻となる

(2)
師匠譲りの、美しさ
型(かた)は気迫で、作ろじゃないか
恋を見捨てた、修行の道は
舞は演歌の、心意気

(3)
舞えば未練が、切れるなら
踊り明かそう、泣き濡れながら
悲しい酒よ、影を慕いて
手仕舞う扇子(おおぎ)の、音悲し

歌詞・白浜砂夫の乙女のワルツ

歌詞・白浜砂夫の乙女のワルツ

花を愛でて、花に、泣くは何ゆえ
心乱れし、君の姿悲しや
誰も知らない、二人だけの
青春(はる)の秘め事、乙女のワルツ

辛い恋よ、恋も、知れば尚更
幼な心に、希望、灯す明かりよ
誰にも言えぬ、初恋は
青春が与える、乙女のワルツ

夢を見ては、夢に、涙ぐむ時代(とき)
恋を知りて、恋に、涙ぐむ時代(とき)
熱き胸より、溢れくる
青春の讃歌よ、乙女のワルツ

詩・光と風と

詩・光と風と

光よ風よ
お前は何時だって
私を、流離いへと駆り立てるのだ
それは、人は、光と風を、まるで恋人のように
感じているからなのだろう

光よ風よ
お前が優しく包んでくれる限り
私は、旅人でいられるのだ


平成十七年十月三十日・作・未発表
プロフィール

白浜 砂夫

Author:白浜 砂夫
どうも ”しらはますなお” です。

岐阜県大垣市在住
昭和24年1月11日生まれ
67歳
B型

好きな歌人は、女性では与謝野晶子、男性では、島崎藤村、石川啄木です。詩や和歌や小説を書き始めて20年あまりになります。鹿鳴館を舞台にした小説を書いております。63歳にして一念発起してパソコンを始めました。ブログにも初挑戦です。

最新出版物
白浜砂夫の電子書籍




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