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和歌弐題・春待つ心

和歌弐題・春待つ心


(一)

厳寒に
春待つ心
辛くとも
老いとは言わす
気概と語る


(二)

露天風呂
木々の揺らぎを
推し量り
熱き湯量に
春待つ心

「意」春待つ心。季節の春、人生の春を、ただ待つのではなく、むしろ、積極的に取りに行く気概と、行動が良いと思う毎日なのです。
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テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

タンポポ 参種

タンポポ 参種


(詩)

花は黄色、タンポポさんは、
恥ずかしがらず、咲いてます。
花は黄色、タンポポさんを
そっと優しく、手に取った、
遊んでいます、何時までも。
春の陽射しに、包まれて、
花は黄色、タンポポさんは、
何時もあの子に、あげた花。


(和歌)

タンポポの
花咲く春は
暖かい
黄色い色と
思い出の色


(俳句)

思い出は
黄色いタンポポ
連れてくる


意:タンポポには、黄色と、白色がありますが、黄色、黄金の色、山吹の色が、幼い子供の頃の思い出を、より、リアルに、語ると思うのです。

ありがとうの一言が言えた時から

ありがとうの一言が言えた時から

え、どうしてかなぁ。
何故かしら、私は変わったように思うのです。
あまりにも孤独な日々が。
あまりにも、満たされることの少ない日々が。
まるで、愛と憎しみの間(はざま)で、もがき苦しんでいた日々が、今は、楽しく、懐かしく、思えてくるのです。
「ありがとう」
「貴方のおかげです」
と言えるようになった時からだと思います。
「少は苦労した事が良かったと思っている、この頃なんです」
と答える事もあるのです。
素直に慣れたと、何か、心の重荷が取れた時、視界が開けたような、そんな、心持の日々を送っています。
辛い時には、
「辛いのです」
寂しい時には、
「寂しいのです」
と言ってみたほうが、良いのかもしれませんねえ。
ありのままに生きていく方が、かえって、人生を、楽しく、明るいものにするのかもしれませんね。
私も最近、夢を沢山持てるようになってきたのです。
少しは、豊かになったら、ピアノを習ってみたいと思っています。
「もしもピアノが弾けたなら?」
それから、ダンスを。
ダンスを、心ゆくまで踊る事のできる日々を持ちたいと思うのです。
「ダンスは上手く踊れない?」
さあ、どうでしょうか。
想像にお任せしましょう。
ありがとうの言葉にかえて。

テーマ : 思うこと
ジャンル : 学問・文化・芸術

未来短編小説・左大臣様はミュージックがお好き5

未来短編小説・左大臣様はミュージックがお好き5


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喫茶店内に流れる(ボレロ)、フランス国の作曲家、ラベエルが作ったボレロは流れる。
左大臣様と、富山の局は、自由に語り合える場所を求めて街に出た。
二十二世紀を少し述べるならば、湾の上、水上に浮かぶ高層ビル。六十~七十階建ては常識である。水上に浮かぶ高層ビルを、現実のものとして確認するには、夜、明る過ぎるほどのライトに照らし出された水上を見てみると良いだろう。一際光彩を放っているのである。
緑の色彩も鮮やかに続く街路樹の並木道。こんな、古きよき時代、十九世紀を思わせるような古典の世界に入ってしまったのである。
喫茶店とも、カフェテラスともいう、歌の小路はそこにあった。
茅葺きの屋根、太い柱で組まれた室内。杉の木で作った階段。仄かに明かりを灯すガス灯。
杉の木で作った階段を上がり、薄暗い店内に入る。
バリアフリーと、超高層、水上の建築物それらは全て、最新の工科学の粋を集めたものである。しかし、心の安らぎとなると、また別問題である。
富山の局は、わざと段差を付けたような、わざと狭さと奥行きをつくったような、こんな店に引かれていったのであろう。
富山の局は、この店で、美味しいコーヒーをいただきながら、学生時代に学んだ、世界の女流詩人の詩歌を、口ずさんでいたのである。
それは、至福のときといってもよかった。ふわーっと、自身を包んでくれる優しさが、そこにはあった。
「気に入ってもらえましたか?」
と富山の局。
「勿論、とても素敵です」
と左大臣様。
「それは有り難いことですは」
と富山の局。
「どうして此処をご存知なんですか?」
と左大臣様。
「まあねえ、ある人に教えてもらったのです」
「ある人に?」
と左大臣様。
でも、もうこの先は聞くまいと決めたのである。
いつか来る別離、別れの日。その日の来ることを思えば、今の現実を楽しむ方が良いと考えたのである。
店内に流れるボレロよ、君は何も語らないけれども、別れの日は、ボレロが連れてくるのでしょうか。
それとも、彼女の涙が連れてくるのでしょうか?
「どうしたのですか?」
と左大臣様。
「ううーん」
首をふるのである。
ボレロよ、泣かないで。
名曲に重ねる、愛の脚本(シナリオ)。望むと望まないとにかかわらず、愛の脚本は進んでいくのでしょうか。
「どうしたの?」
と左大臣様。
「貴方が、立派な人に成られて。ただ、その事が嬉しくて」
と富山の局。
「君のお蔭だよ」
「いいえ、貴方の精進の賜物ですは」
と富山の局。
「いいや、君無くして、今日の私はない」
と語気を強めたのである。
「まあ、それはそれとして、昔が懐かしいですわねえ」
と富山の局。
「昔、遠い過去がねえ」
「そう、一緒にバンドを組んで、旅回りをしていた頃」
と富山の局。
「君もか。実は私もそうなんだ」
「あら、左大臣様も」
「そうだねえ。若き日々の、何か夢を見ていたような」
と左大臣様。
「何か、夢を見ているような、夢を追いかけているような、ミュージックへの憧れ。それが、左大臣様には有りましたわねえ」
と富山の局。
「君には?」
「ええ、勿論、私にもありました」
「二人は、また、昔に戻ろうか」
と左大臣様。
「戻れるものならねえ」
どうやら、二人の心は、何時まで経っても、若い頃のままでいるようだ。

それから日々は流れて、左大臣様に漂う哀愁。富山の局に対する恋心は、増すばかりであった。しかし、彼女は、もう自分一人のものではない。
世界の人民の為に存在している秘書官なのだ。それが、また、辛いところではある。
垣根の垣根の回り角、焚き火だ焚き火だ落ち葉焚き、あたろうかあたろうよ、北風ピューピュー吹いている。
左大臣様は、悲哀を込めて歌うのであった。
そばで、この歌を聞いていた山路の局は、
「どうしたの。元気がありませんは?」
と気を使いながら声を掛けたのである。
「山路の局。お前も歌え、歌うのじゃ」
「嫌です、私は」
と山路の局。
「そうなんだ、そうなんだ。垣根と垣根の間を行ったり来たりするんじゃ」
「誰とですか?」
「お前と富山の局を連れて、世界中を飛び回るのじゃ」
と左大臣様。
「え、私もですか?」
「そうだ、君もだ」
果たし三人は、どんなミュージックを引っさげて、世界中を飛びまわろうとするのであろうか?

中川の局との会話。
「オペラといえば、何と言っても、チャイコフスキー作曲の、幻想序曲(ロミオとジュリエット)とだね」
と左大臣様。
「交響曲、序曲のロミオとジュリエットは二百年を越える歴史がありますわ」
と中川の局。
「幻想を取り入れて、交響(曲)ではない、交響(詩)としたのには、何故だろう」
と左大臣様。
小さな、ヴァーチャル会議室での会話である。
二人の会話に、山路の局や、富山の局も加わったのである。
「まあ、オペラは水の都で栄えたのねえ」
と富山の局。
「水の都といえば、べネチアですねえ」
と山路の局。
同意をもとめるのである。
「そうじゃ」
「左大臣様、花の都といえばパリでしたねえ」
と富山の局。
「シャンソンの都といえば、パリと言いたい中川の局もいる」
と左大臣様。
「まあ、先を越されましたは」
と富山の局と、山路の局。
「水と花、なんという取り合わせじゃ?」
と左大臣様。
「左大臣様、どうされましたか」
と中川の局。
「ベネチアの空に、リートは流れ、パリの空に、シャンソンは流れる。ああ」
とため息をつく、左大臣様であった。
「そうですはねえ。でも、どうしたというのですか?」
と山路の局。
「お前には、ロマンと言うものがないな」
と左大臣様。
「ええ、至って薄情ですから」
と山路の局。
「美しい花を愛でて、清らかな言の葉を敬う。大和(やまと)心じゃ」
と左大臣様。
「はあ、大和心」
と山路の局。
「大和心が分からないのか」
と左大臣様。
「ええ、私は、宇宙人ですから」
と山路の局。
「まあまあ」
と中に入る富山の局。
「何時から、宇宙人になったの?」
と中川の局。
「嘆かわしや。私のそばに、ロマン、美的センス。それから、それから、詩情、ああ、なんと」
と左大臣様。大袈裟なポーズで言うのである。

未来短編小説・左大臣様はミュジックがお好き4

未来短編小説・左大臣様はミュージックがお好き4


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さて、富山の局の愛しい人はいったい誰であったのか。
それは後の事としておこう。
ネルソン秘書官長も、話題の多い人と言ってもいいだろう。
蔦の太政大臣の秘書を兼任する、ヨーロッパ州はイギリス国出身である。ネルソン提督。
確か三世紀も前に活躍したイギリス海軍きっての偉人、ネルソン提督の末裔だと喧伝されているのである。その事は定かではないが、歴史の流れは本当に速く、あっという間に、忘却の彼方に押しやってしまうものなのである。
「ネルソン秘書官長の狙いは?」
と紅梅の右大臣。
「もしかしたら、大地球連合の海軍創設でも言い出すのでは?」
と太政大臣。
「まさか、女性ですよ」
と紅梅の右大臣。
「まま、私に」
と言って、右大臣を下がらせたのである。ネルソン夫人を部屋に呼ぶ。
「プライベート」
と言いながら、椅子に座らせる。
「歌曲(うた)は如何ですか?」
と太政大臣。
それに答えて、
「歌曲、言葉に譬えてみれば、オペロン、私は(妖精)、真夏の夜の夢に見る乙女の如し」
とネルソン夫人は歌う。
ちょっとオーバーな、ちょっと飾り過ぎのような、そんな乙女ではある。
「ベーリーグー」
と手を叩く太政大臣。悲しいほどに、ネルソン夫人に気を使うのである。
ちなみに、ウエーバー作曲のこの歌劇は一八二六年ロンドンで初演されている。
長い歴史に耐えてきたものこそ名曲といえるのだ。
花に例えるならば、(芍薬)花言葉は(はにかみ)。ネルソン夫人が???
現在の品種は(夕映え)。イングリッシュ語では、(プリンセス、マーガレット)である。
どこかに、乙女の初々しさを残しながら、愛する人の為なら、例え死んでも構わないと、そう思い詰めるほどの激情がある。それでいて、何故か、狂おしいほどの、可愛らしさを持っているのである。信じられない、信じられない。ネルソン夫人は、狂おしいほどの可愛らしさと、マーガレットの様な、貴公女の貴品さを讃えているのでしょうか?

さあ、世界同時中継も、可能な時代になってきたが、民族には民族の伝統や習慣があり、例え、極端に少ない民族でも、最上の、対応をしてあげるのが二十二世紀と言うものなのである。
まして、ミュージックは、世界の人民と人民を繋ぎ、民族と民族の融和をはかる、そう、魔法の芸術、文化でもあるのです。
さあ貴方も、貴女も、全ては世界の平和のために、と口ずさみながら、歌曲か歌劇、あるいは、民族歌舞伎や時代の流行歌の原作や作詞をしてみて下さい。相すれば、貴方の予想する以上の名作が生まれる事は間違いありません。なぜって、それは『全ては、世界の平和のために』お役に立ちたいと心を定めた決意に、ミュージックが微笑みを返してくれるからだと思います。
左大臣様も大変ですねえ。
前書したような、エッセイを書いて事務局に差し出していたりもするのです。
さて、左大臣様がエッセイを書いている頃、スイスの国は、音楽の都、ウィーンでは、連日、ウィーン管弦楽団による、ウィーンナーワルツのコンサートが行なわれていた。
それはまるで、不夜城のごとき、煌びやかさだあった。
駆けてくる足音がした。
「左大臣様。それはまるで、不夜城の如き盛況さであった、との報告がありました」
とワルツの太政官。
「良きこと、良きこと」
と左大臣様。
「そこで、ここはひとつ、大歌劇(オペラ)場を、三~五ぐらい作って、スイス人の、文化を愛する心、ミュージックを愛する心に応えたいと思います」
とワルツの太政官。
「うまい。君は話の持って行き様が、実に上手い」
と左大臣様。
「では」
「勿論、充分に検討に値する報告ではある」
と左大臣様。
左大臣様の脳裏をよぎるのは、御先輩方の御言葉であった。
「何しろスイスは、永世中立国だからなあ」
と語る言葉である。
「わしも、これからは、どっち付かずで行きたいものだ。如何も、引きずられる所がある」
と呟くのである。
「今、何か言われました」
とワルツの太政官。
「いいや、中立性について考えていた所であった」
「中立性ねえ」
とワルツの太政官。怪訝そうな顔をするのである。

新春 俳句参題

新春 俳句参題

(一)
初春を
心新たに
迎えけり

(二)
はつはる(新年)を
言祝ぐ(こよほぐ)ごとき
ホワイトブルーの空よ

(三)
穏やかに
変わりなきまま
来る新春(はる)は


二月四日。
前日まで続いた、大寒波と大雪の天候も抜けて、穏やかな一日となりました。

雪の積もった朝

雪の積もった朝

おお、寒い、寒い、寒い。
ああ、寒い、寒い、雪が積もった朝の道は。
舞う雪に、吹き来る雪に、指先が凍えてくる。
「おはようございます」と挨拶すると、
「ああ」と返事する、スコップを持ったおじさん。
「ご苦労様です」と言葉を添えると、
雪解けする作業を忘れて、玄関に戻っていく。
おお、寒い、寒い、寒い。
ああ、「何て寒い朝なんだろう」と呟いて歩く。
「おはようございます」と工業高校生。
「おはよう」と答える私。
今日は歩いて通学ですね。
ああ、寒い、寒い、雪の積もった朝は。


二月二日。
朝、八時半。
雪の積もった道を歩いて仕事にいく。

未来短編小説・左大臣様はミュージックがお好き3

未来短編小説・左大臣様はミュージックがお好き3


                                未来短編小説・左大臣様はミュージックがお好き1


                                未来短編小説・左大臣様はミュージックがお好き2


とある日のこと。
さして重要な諸問題も、これといって見当たらない日々。
オールマンリバー大地球連合議長は、バーチャル首脳会議の議長を務める実力者である。
議長は、事務局を訪れたあと、部屋に籠もって、一人物思いに耽っていた。
トントンと、ドアをたたく音。
「入ってもよいでしょうか」
とドアホンに語る左大臣様。左大臣様は議長との交流を求めて、訪れたのである。
「どうぞ」
と議長。
「プライベート」
と言って同意を求めるのである。
議長も思うところがあって、快く迎えた。
「時代という、大河の流れは、全ての人に、平等に、チャンスを与えてくれる。それでいて、全ての人を、暖かく包んでくれる時もある」
と左大臣様。
「川は、全てを知っているが、ただ流れていくだけ」
と議長。
パネルの映像に映し出されたミシシッピー川に圧倒されてしまった左大臣様。
「驚きましたか。これがミシシッピー川です。そして貴方の語るところの大河の流れ、時代の流れです」
と議長。
「何と、何と、スケールが大きい」
と左大臣様。
会話は淡々と続いていく。
その中で、議長は、大好きな歌を紹介したのである。
今アジア州のヒットチャートの上位にある。
(京の五条の橋の上、大の男の弁慶は、長い薙刀振り上げて、牛若目掛けて切りかかる)。
なな、なんと、懐かしの小学唱歌ではないか。信じられない、信じられない左大臣様である。
「歴史は繰り返す?そう言いたいのでしょ」
と議長。
何と言って返答していいかわからない。
千年の都、京都。千年の文化が香る京都。ただ淡々と流れていく時代に飲み込まれることなく、今も、光彩を放っていることが、議長の心を捉えているのであろう。
「議長は千年の文化に憧れて?」
と左大臣様。
「なあに、ゼンマイを巻き戻したようなものさ。ボタンを押したらこの歌が流れてきて、それから、この歌が気に入ってしまったということだな」
と議長。
「流石は、オールマンリバー議長」
と膝を叩いたのである。
それからこの歌は、全世界に広がって行ったのである。
「議長様の、鶴の一声」
と女性秘書。
「何を言う。そんなことが通る時代じゃない」
と議長。
「でも、毎日、口ずさんでいるとはねえ」
「川は、ただ流れるだけ。我が歌声は、インターネットを通じて、勝手に流れていくだけ」
と議長。
「それは悪用、いえ、とても利口な」
と秘書官。
「ワッハッハ」
と大声で笑う議長。
一向に気にする様子もないのである。

さて、話題を左大臣様の個人的なことにして見ようと思う。
若い者には希望を、中年の者には自信が得られるのが、人の世であろうか。
そして、若い者に又、恋人が与えられ、中年の者には、妻や愛人が存在するから、歌劇、オペラが生まれるのである。
そこで、独身で、中年の左大臣様には、どんな人生の旅路があったののであろうか?
愛人でもいるのであろうか?
富山の局とは、どんなな仲なのであろうか?
桜の君こと、後の左大臣様が、富山の局や中川の局と知り合ったのは、ミュージックを通してであった。
桜の君は、ジャパニーズの歌謡曲、中でも舞踊、踊りをまじえた歌謡舞曲が大好きであった。それと、童謡も大好きであった。
富山の局はジャズ。あのおしとやかな彼女が。
中川の局は、ワルツやシャンソンが大好きであった。
この三人が意気投合したのである。
ミュージックには、人を集合する不思議な力でもあるのであろうか。
長い長い旅路の始まりであった。
三人はバンドを組んで各地を訪問する中で、色々な友人もできたのである。
山路の局もその中の一人であった。
山路の局には、当時、菊の小路歌麿という、千年の昔から抜け出してきたような、する事なす事、超古典的な恋人がいた。
「麿は、山路の局もバンドに加わると、宜しかろうと思うぞえ」
と言う。
やがて、山路の局も加わってバンドの旅路は続いたのである。
「三人揃えばトリオですねえ、四人になれば何だっけ?」
と桜の君。
「冗談でしょう。そんなことも知らないの?」
と中川の局。
「おお、冗談」
と桜の君。
「そういえば、昔、前世紀にジョータンというジョータンという、ジャズの名人が居ましたはねえ」
と富山の局。
「こりゃ、参った、参った」
と桜の君。
何処までいってもジャズが好きな富山の局」
と中川の局。
「いいじゃないの、それで。ジャズこそ民衆がつくる人間讃歌なのだから」
と桜の君。
「おお、愛しのショーボート。憧れの歌劇よ。ショーボートをもう一度」
と富山の局。彼女は意外と情熱的であった。

未来短編小説・左大臣様はミュージックがお好き2

未来短編小説・左大臣様はミュージックがお好き2



                                未来短編小説・左大臣様はミュージックがお好き1


「オーラ、オーラ」
とポルトガル語で挨拶するタンゴの太政官。
山路の局。その内から発して来る激情に圧倒されそうになる。
「タンゴ、それは情熱の曲(しらべ)、タンゴ、それは民衆の作った人間讃歌のミュージック」
とタンゴの太政官。山路の局の耳元で囁く、その言葉は、まるでプレイボーイの名セリフのように思えてならない。
「まあ、タンゴの太政官様は、何て情熱的な方なのでしょう」
と言ってうっとりとするのである。
「口説いてもいいですか?」
と耳もとで囁く。
「どうぞ、どうぞ」
と頷く山路の局。危ない、愛が危ない。タンゴの太政官の狙いはどこにあるのであろう。
腹の内はどうも、山路の局の助力を得て、左大臣様を巻き込んで、大歌劇(オペラ)場を作って貰おうとの魂胆のようである。それも、三~五ぐらいではない、二桁の数なのである。
山路の局の運命は如何に?

おお、夢の都、夢のフランス。そして、憧れのパリ。
パリの空にシャンソンは流れて、あの人の心を知る。
中川の局が,シャンソンの太政官との恋に落ちたのも、当然といえば当然なのかもしれない。
フランス貴族の流れを汲む、すらりとした長身の伊達男ときている。
「貴公子様、貴公子様」
と言って事務局の高級女官達も放っておけない存在なのである。
「愛、それは私とあの人の為にある」
と高級女官。
「ああ、夢のフランス、憧れのあの人。それらは、私だけのもの」
と別の高級女官。
中川の局の心労は当分続きそうである。
山路の局が、タンゴの太政官との愛を育んでいることは、直属の上司である東山の大納言を始め、左大臣様の知ることになってしまったのである。
「タンゴといえば、黒猫のタンゴかねえ?」
と大納言。
「いえいえ、アルゼンチンタンゴですわ」
と山路の局。
「そうか、マリア、モーレスや、ルベルト、ラモスが活躍した国があったな」
と大納言。
「大納言様、大変ずれています」
と山路のつぼね。
「何がだ」
と大納言。
「前世紀の話ですわ。それらは」
「うーむ。こりゃまいった、まいった」
と大納言。
果たして、芸術クラブのトップが務まるのか、心配になってきました。
「大納言様って本当にいけない人ね」
と言って嘆く山路の局。
「そうか、そうか。わっはっは」
と言って一向に気にする様子もない。

小さな声による会談でも、適度な音声に調整されて、世界中に発信されるのも、二十二世紀のなせる仕業であろう。
左大臣様とワルツの太政官との二人だけの秘密の会談はいけません。むしろ、秘密の会談は秘密でなくなり、オープンなバーチャル会談は、後で秘密の会談になったことが多いのです。
「秘密、秘密の会談」
とワルツの太政官が言えば、高級女官が、逆に意地悪して、オープンのボタンを押してしまうのです。
「オープンなんて詰まらない。秘密のあっ子ちゃんが大好き」
と口癖のように言っているのですから。
「左大臣様、世界の人民よ、ショパンを弾こう。というキャッチフレーズは如何でしょうか」
とワルツの太政官。
「ショパンの、ピアノ協奏曲でも弾けと言いたいのだな」
「ハイ、正にその通りです」
とワルツの太政官。
「ピアノねえ。もしもピアノがひけたなら?」
と左大臣。
「ハイ、ショパンは偉大なピアノの演奏家です。詩情豊かで、想像力溢れる感性から飛び出してきた、名曲の数々は、ショパンの前にショパンなし、ショパンの後にもショパンなしと思うのです」
「まるで、ショパンばっかりだね」
と左大臣様。
「ハイ」
「でもねえ、ピアノを弾ける世界の人民は非常に少ないからねえ」
と左大臣様。
「はーあ、それが何か?」
「だからさあ。ここは、世界の人民よ、ショパンを聞こうよ、というキャッチフレーズでいこうと思う」
と左大臣様。
「成る程、弾こうでなくて、聞こうということですね」
「そうだ。そうすれば、世界の人民は大いに納得するというものだ」
と左大臣様。
「成る程」
ワルツはウィーンで発達した円舞曲。舞踏に適していると、語り継がれている。
「左大臣様、ここは一つ、大歌劇(オペラ)場建設構想をぶち上げましょう」
とワルツの太政官。
「人気取りか?」
「ハイ」
左大臣の瞼にうかんでくるのは、鹿鳴館の舞踏会であった。
「ご先祖様」
と囁くのである。
プロフィール

白浜 砂夫

Author:白浜 砂夫
どうも ”しらはますなお” です。

岐阜県大垣市在住
昭和24年1月11日生まれ
67歳
B型

好きな歌人は、女性では与謝野晶子、男性では、島崎藤村、石川啄木です。詩や和歌や小説を書き始めて20年あまりになります。鹿鳴館を舞台にした小説を書いております。63歳にして一念発起してパソコンを始めました。ブログにも初挑戦です。

最新出版物
白浜砂夫の電子書籍




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